宮中祭祀は、単に皇室で行われる祭儀ではありません。
一年の始まりや季節の節目、農耕の循環に合わせて行われるものが多く、日本の暦と深く結び付いています。
二十四節気や雑節が一年の季節の流れを示すように、宮中祭祀もまた一年の時間の流れの中に配置され、今日まで受け継がれてきました。
このページでは、暦との関わりが特に深い代表的な宮中祭祀を紹介します。
目次
一年を巡る主な宮中祭祀
- 四方拝(1月1日)
- 祈年祭(2月17日)
- 春季皇霊祭・春季神殿祭(春分の日)
- 大祓(6月30日・12月31日)
- 秋季皇霊祭・秋季神殿祭(秋分の日)
- 神嘗祭(10月17日)
- 新嘗祭(11月23日)
これらはいずれも、季節や農耕、祖先への感謝などと結び付けられ、一年の暦の流れの中で行われる代表的な宮中祭祀です。
宮中祭祀は暦の一年を巡る
これらを一年の流れに沿って見ていくと、
- 新年の始まりを祈る
- 豊作を祈る
- 春秋の節目を迎える
- 半年ごとに祓いを行う
- 新穀を神に供える
- 実りに感謝する
という、一年の循環が見えてきます。
宮中祭祀は、単独の儀式ではなく、季節の巡りとともに繰り返される「暦の祈り」として受け継がれているのです。
詳しい内容はこちら
それぞれの祭祀については、個別の記事で詳しく紹介しています。
- 四方拝(1月1日) :四方拝とは|元日の暦に位置づけられた年始の祈り
- 祈年祭(2月17日) :祈年祭とは|五穀豊穣を祈る春の宮中祭祀
- 春季皇霊祭・春季神殿祭(春分の日):|春分の日に行われる宮中祭祀と暦との関係
- 大祓(6月30日・12月31日):大祓とは|六月と十二月に行われる祓いの宮中祭祀と暦との関係
- 秋季皇霊祭・秋季神殿祭(秋分の日):|秋分の日に行われる宮中祭祀と暦との関係
- 神嘗祭(10月17日):神嘗祭とは|新穀を天照大神へ捧げる宮中祭祀と暦との関係
- 新嘗祭(11月23日):新嘗祭とは|新穀に感謝する宮中祭祀と日本の暦
宮内庁の主要祭儀一覧
宮中祭祀全体については、宮内庁が公開している**「主要祭儀一覧」**が最も信頼できる一次資料です。
この一覧では、年間を通して行われる祭儀の日程や概要がまとめられています。
☞ 宮内庁 主要祭儀一覧(宮中三殿で行われる祭祀の名称・日程・概要)
まとめ
宮中祭祀は、皇室の祭儀であると同時に、日本の暦の一年を形づくる大切な節目でもあります。
四方拝から始まり、新嘗祭へ至る流れを見ると、日本の暦が季節や農耕、祈りと深く結び付いて発展してきたことが分かります。
二十四節気や雑節とあわせて見ることで、日本の一年の流れをより立体的に理解できるでしょう。
併せて読みたい 祈りと暦シリーズ
-
祈りと暦
祈りと暦|天皇の祈りはなぜ行われているのか
四方拝(しほうはい)って、ご存じでしょうか。 新年早々――元旦の未明、天皇が四方… -
祈りと暦
祈りと暦|天皇の祈りと暦とのかかわり
天皇の祈りと暦とのかかわり 四方拝(しほうはい)って、ご存じでしょうか。 新年… -
祈りと暦
祈りと暦|暦は誰が作っていたのか
暦は誰が作っていたのか ――祈りの時間を支えた人々と制度 天皇の祈りは、史料の中… -
祈りと暦
祈りと暦|日本書紀・延喜式に残る時間秩序
それを示す歴史的根拠はどこに残っているのか ――天皇の祈りと暦を記した史料 天皇… -
祈りと暦
祈りと暦|暦の編纂を命じたのは誰か
暦の編纂を命じたのは誰か ――天皇と国家が定めた「正しい時間」 ③では、暦が陰陽寮… -
祈りと暦
祈りと暦|中国史に見る暦と日本
中国史に見る暦と日本 ――「正しい時間」は誰のものだったのか 日本において暦の編… -
祈りと暦
祈りと暦|日本はなぜ自前の暦を必要としたのか
――天皇の祈りと「自前の時間」をめぐって ここまで見てきたように、天皇の祈りは、…