宇宙の暦から人の暦へ…

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国立国会図書館の電子展示会「日本の暦」をきっかけに、季節感あふれる二十四節気や、神羅万象、生き物、自然界を詠った七十二候に触れ、古くは異文化からの天地の動きの気づきや解明、時間軸を同期させつつ歴史という記録の積み重ね、すり合わせなど、今に至る宇宙の解明の歴史が詰まった「暦」というものを感じると、本当に、今の一刻に生きているものすべてが命を刻み込んできているのだと実感できるように思います。

止まれば歴史、日々動いていけば暦。

この文字、漢字、まったくよくできているものですね。

さて、このように、宇宙に起源をもつ二十四節気やそれを彩る七十二候のほかに、それぞれに言葉の意味を持つ干支、十干、六十干支によって組まれている暦。それは、いわば動かされる暦ともいえます。人の周りの天体の動きが日々の行動の基本であるということですね。

でも、いつしかそこに、生活する人々の感情からくる動く方向、背中を押すような、動機づけの「日を選ぶ」要素が加わりました。

六曜と言われる大安や仏滅などの「選日」といわれる言葉。いったいそれは、いつ、どのように加わっていったのか?

日本の暦では、それが、中段とか下段とか言われている暦の要素となって、我が国の文化として、生活の中に刻み込まれてきています。

そのあたりを国立国会図書館の電子展示会「日本の暦」を入り口として、その先に一歩踏み込んでいきたくなりました。

例えば、「暦注」、とか、「選日」とか。

いつしか、暦は、宇宙の動きから人の行動へと…。

はじめに ― 宇宙の暦

二十四節気、十干十二支、六十干支。
暦はもともと、太陽や月、星の運行を写し取るものでした。

北斗七星の動き、太陽の黄経、節気の巡り。
それらは人間の意思とは無関係に進みます。

この意味で、暦は「動かされる暦」といえるでしょう。
宇宙の秩序をそのまま地上に映したものです。


しかし、暦はそこで止まらなかった

やがて暦には、
「この日は吉」「この日は凶」といった記述が書き加えられます。

これを**暦注(れきちゅう)**といいます。

暦注は単なる注記ではありません。
それは人の行動に方向を与える装置のようなものでした。

結婚はいつか。
葬儀はどうするか。
家を建てるのはどの日か。

宇宙の暦は、
人の決断を後押しする暦へと拡張していったのです。


選日とは何か

日の吉凶を定める仕組みは、**選日(せんじつ)**と呼ばれました。

古い暦には、

  • 中段(十二直)
  • 下段(天赦日・凶会日など)
  • 八専、三隣亡、天一天上 など

数多くの吉凶体系が存在しました。

それらは干支や中国の思想・五行、節気の組み合わせに基づいています。

つまり、

宇宙の循環思想が
人の行動判断へと応用されたものだったのです。


六曜という簡略形

現在もっともよく知られているのは
大安・仏滅・友引などの六曜です。

六曜は6日周期の単純な配当法で、
中段や下段に比べるときわめて簡潔です。

それにもかかわらず、
今日まで広く使われ続けています。

なぜでしょうか。

そこには、
人間の不安や願いに直接働きかける力があったと考えられます。


宇宙から行動へ

暦は、天体の運行を写す体系から出発しました。

しかし歴史の中で、

宇宙の秩序
→ 国家の暦
→ 人々の選日
→ 個人の決断

へと重心を移していきます。

暦は、
人を動かす思想へと変化したのです。


本特集について

本特集では、
国立国会図書館 電子展示「日本の暦」を入口に、

  • 暦注とは何か
  • 選日とは何か
  • 中段・下段の構造
  • 六曜はなぜ残ったのか

を順にたどりながら、

宇宙の暦が
どのように人の行動を方向づける暦へと拡張したのかを探っていきたいと思っています。

暦注というと、なにか添え物のように感じるけれど、実は、人が関わる民衆への大事な注意書き、のようなものなんですね。

さて、令和8年立春(2026年2月4日)、二十四節気は新しい巡りを始めました。
立春は、太陽の動きに基づく暦の起点です。

節気、干支、六十干支。
それらは宇宙の運行を写し取る体系であり、人の意思とは無関係に巡ります。

この意味で、暦は「動かされる暦」といえるでしょう。
宇宙の秩序を、そのまま地上に映したものです。

しかし、暦には、
「この日は吉」「この日は凶」といった注記が書き加えられます。

これを 暦注(れきちゅう) といいます。

暦注は、単なる添え書きではありません。
それは、宇宙の暦に人間が加わった痕跡です。

結婚や建築、旅立ちはいつに,,,。

では、宇宙の暦がどのように人の行動を動かす暦へと広がっていったのか、探ってみたい…。

以下、特集ページへ

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〈日本の暦〉に関する情報
        (国立国会図書館 電子展示)
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