日本の暦 暦の中のことば 吉凶を表す言葉・その他

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吉凶を表す言葉④その他

日の吉凶を占うものに選日と呼ばれるものは他にも以下のようなものがある。

八専(はっせん)

 六十干支で壬子の日(49番目)に始まり癸亥の日(60番目)に終わる12日間の内、間日(まび)といわれる2,5,7,11を除いた8日間のこと。

 陰陽五行説によると五行の同気が続き、物事が片寄る凶日とされる。もともとは軍事上の忌日であったが、針灸や、柱を立てることも不吉とされるようになった。

日数123456789101112
五行水水水土木木木木火土火火土火土土金金金金水土水水
干支壬子癸丑甲寅乙卯丙辰丁巳戊午己未庚申辛酉壬戌癸亥

十方暮(じっぽうくれ)

六十干支で甲申の日(21番目)から癸巳の日(30番目)までの10日間のうち、五行が相剋の関係になる凶日のこと。結婚、相談事に凶とされる。

日数12345678910
五行木金木金火土火水土木土土金木金木水土水火
干支甲甲乙酉丙戌丁亥戊子己丑庚寅辛卯壬辰癸巳

三隣亡(さんりんぼう)

大凶の日で、建築関係の仕事を忌む。

1月、4月、7月、10月は亥の日、2月、5月、8月、11月は寅の日、3月、6月、9月、12月は午の日。

天一天上(てんいちてんじょう)

天一神が天上に上がっている癸巳の日(30番目)から戊申の日(45番目)までの16日間のこと。

この間はどちらの方向に動いてもよいが、結婚は忌む。

天一神は44日間を下界で八方を巡り過ごすといわれ、これを天一神遊行という。

その後天上に昇り16日間を天上で過ごすといわれる。

日数遊行日数天一神の方向
己酉から甲寅の間6日間北東(艮)
乙卯から己未の間5日間東(卯)
庚申から乙丑の間6日間東南(巽)
丙寅から庚午の間5日間南(午)
辛未から丙子の間6日間南西(坤)
丁丑から辛巳の間5日間西(酉)
壬午から丁亥の間6日間西北(乾)
戊子から壬辰の間5日間北(子)

一粒万倍日(いちりゅうまんばいにち)

 単に万倍日ともいう。月と日の十二支の組み合わせを基としており、2通りの選日法があったが、現在では両者を併用している。

 ひと粒のモミが万倍にも実る稲穂になるというめでたい日のことで、万事を始めるによい日とされる。

 とくに、仕事始め、開店、種まき、出金などは吉だが、増える意味があるため、借金、借り物は凶とされている。選日法は節切りで次の通り。

日数正月節2月節3月節4月節5月節6月節7月節8月節9月節10月節11月節12月節
一粒万倍日(1)
一粒万倍日(2)

不成就日(ふじょうじゅび)

 その名のとおり万事不成就の日で、事を起こすには良くない日とされている。

 月の日の十二支の五行の組み合わせを基準として8日間隔で配当される。

 選日法は月切りで次の通り。

日数遊行日数
正、7月3、11、19、27日
2、8月2、10、18、26日
3、9月1、9、17、25日
4、10月4、12、20、28日
5、11月5、13、21、29日
6、12月6、14、22、30日

大犯土・小犯土(おおづち・こづち)

 陰陽五行説による日の六十干支の組み合わせ(納音(なっちん))が土と重なる日で犯土(つち)ともいう。

 庚午の日(7番目)から丙子の日(13番目)までの7日間を大土とし、さらに次の丁丑の日を間日といい、戊寅の日(15番目)から甲申の日(21番目)までの7日間を小土という。

 この間は土を犯してはならないとされ、穴掘り、井戸掘り、築墓、種まきなどの土いじりは慎む日とされた。

三伏(さんぷく)

 初伏(しょふく)、中伏(ちゅうふく)、末伏(まっぷく)の三つを合わせて三伏という。

 いろいろな選日法があるが、一般的なものは、5月中(夏至)後の第3回目の庚の日を初伏、第4回目の庚の日を中伏、7月節(立秋)後の第1日目の庚の日を末伏とするものである。

 夏は火性が最も盛んなため、庚の金気も伏せられるから凶とされており、なかでも三伏は酷暑期で大凶とされる。

庚申(こうしん、かのえさる)

 六十干支の庚申(57番目)は、八専の第9日目にあたり、天地が冷える日とされる。

 この夜、人体内にいる三尸(さんし)の虫が天に昇って人間の悪行を上帝に報告するとされ、それを妨げるため宴席などを設けて夜を明かした(庚申待ち)。

甲子(かっし、こうし、かし、きのえね)

 六十干支の甲子(1番目)は、これにあたる日や年は吉とされた。

 この日には大黒天を祭った甲子祭(きのえねまつり)や甲子待ち(こうしまち、きのえねまち)が行われた。

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