🌸 自然 ― 春分を中日とする7日間
春の彼岸は、春分の日を中日として、その前後3日ずつを合わせた7日間です。
初日を「彼岸の入り」、春分の日を「中日」、最終日を「彼岸明け」と呼びます。
春分のころは、太陽がほぼ真東から昇り、ほぼ真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ等しくなります。
冬の寒さが次第にやわらぎ、草木の芽吹きや花の便りが増えてくるころです。
春の彼岸は、暦の上でも自然の中でも、季節が大きく進む時期にあたります。

【彼岸】(ひがん) 春の彼岸
春分の前後の3日ずつ
計7日のこと。
彼岸の入り→春分・中日→彼岸明け
🏠 暮らし ― 祖先を思う春の行事
日本では、春と秋の彼岸に墓参りをしたり、仏壇に手を合わせたりして、祖先を供養する習慣が広く受け継がれています。
「彼岸」は仏教に由来する言葉で、煩悩の世界である「此岸(しがん)」に対して、悟りの境地を「彼岸」と呼びます。
日本では、この仏教的な考え方と、春分・秋分という季節の節目が結びつき、彼岸の行事として定着していきました。
春分のころに太陽がほぼ真西へ沈むことも、西方浄土の思想と結びつけて説明されることがあります。
現在では、宗教的な意味だけではなく、家族で墓参りをしたり、故人を思ったりする季節の習慣としても親しまれています。
🍲 食と文化 ― ぼたもち
春の彼岸の食べ物としてよく知られているのが「ぼたもち」です。
もち米やうるち米を炊き、あんで包んだもので、彼岸の供え物として親しまれてきました。
春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」と呼ばれることが多く、それぞれ春の牡丹、秋の萩にちなむとする説明がよく知られています。
ただし、呼び方や作り方には地域差があります。
春の彼岸のころには、菜の花やふきのとう、わらびなど、春らしい食材も少しずつ増えてきます。
冬の味覚から春の味覚へと、食卓にも季節の変化が表れてくるころです。
📚 文化 ― 春と秋、二つの彼岸
彼岸は年2回あります。
春の彼岸は春分を中日とし、
秋の彼岸は秋分を中日とします。
どちらも前後3日ずつを合わせた7日間です。
春分と秋分は、二十四節気の中でも「二分」にあたり、夏至・冬至と合わせて「二至二分」と呼ばれる重要な節目です。
彼岸は、その春分・秋分を中心に置くことで、太陽の動きと人々の暮らしが重なった雑節といえます。
→ 秋の彼岸
→ 春分
→ 二至二分
詳しい内容は、それぞれの記事で紹介します。
🗓 暦 ― 春分を基準に決まる雑節
彼岸は、二十四節気そのものではなく、雑節の一つです。
春の彼岸は、春分の日を基準として、
春分の3日前 彼岸の入り
春分の日 中日
春分の3日後 彼岸明け
と決まります。
彼岸そのものに太陽黄経が設定されているわけではありません。
基準となる春分が、太陽黄経0度に達する二十四節気です。
暦の流れで見ると、
啓蟄
↓
彼岸の入り
↓
春分
↓
彼岸明け
↓
清明
となります。
二十四節気の春の流れの中に、雑節として彼岸が位置していることが分かります。
🌿 ことわざ ― 暑さ寒さも彼岸まで
彼岸にまつわる言葉として、
「暑さ寒さも彼岸まで」
がよく知られています。
春の彼岸のころは、冬の厳しい寒さが次第にやわらぎ、春らしい日が増えてきます。
もちろん、実際の気候は年や地域によって異なり、寒の戻りもあります。
それでも、春彼岸は昔から、季節が冬から春へ移っていく一つの目安として受け止められてきました。
💬 ひとこと
春の彼岸は、春分を中心とする7日間です。
太陽の動きが大きな節目を迎えるころ、人々は祖先を思い、墓参りをし、春の訪れを感じてきました。
「彼岸」という言葉には仏教的な意味がありますが、日本ではそれが季節の移り変わりと結びつき、暮らしの中の行事として根づいています。
春分を中日に、冬から春へ。
春の彼岸は、暦・自然・暮らしが重なる雑節といえます。
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