🌈 清明・末候 虹始見(にじはじめてあらわる)
目次
🌤 自然 ― 空に虹がかかり、春の光あふれるころ
清明の末候は「虹始見(にじはじめてあらわる)」。
“初めて虹が空に現れる”という意味で、令和8年(2026年)は4月14日ごろ、太陽黄経はおよそ25度。
春の雨が降ったあと、太陽の光に反射して虹が見えるようになる時期です。
冬の乾いた空気が湿りを帯び、光がやわらかく拡散することで、七色の弧が空にかかります。
虹は、春の光と水が出会って生まれる自然の奇跡。
その姿は、天地の調和と生命の循環を象徴しています。
【清明】(せいめい)
すべてのものが生き生きとして、清らかに見える
月: 三月節 太陽黄経: 15°

末候 虹始見
(にじはじめてあらわる)
雨の後に虹が出始める
🏠 暮らし ― 雨あがりの空を見上げて
春の雨は「菜種梅雨」とも呼ばれ、やわらかく長く降ることがあります。
その雨上がりに虹を見ると、心まで明るくなるよう。
昔から虹は“吉兆”とされ、家の方向にかかると「福が来る」とも言われました。
この時期は、入学式や新生活の始まりなど、未来への希望がふくらむ季節。
虹のように心が晴れ渡る日々が似合います。
🍲 旬 ― 雨の恵みを感じる春の味
たけのこ、山うど、ふき、そら豆、木の芽――
雨に潤った春の食材がみずみずしさを増します。
魚では、しらす、あじ、さよりなど、初夏を感じる味覚が登場。
菜種梅雨の合間に、蒸し物や浅漬けなど、さっぱりとした料理が好まれる季節です。


📚 文化 ― 虹に託す、再生と希望の象徴
古来、虹は“天と地を結ぶ橋”とされ、神話や文学にたびたび登場します。
日本書紀にも「天の浮橋」、中国では「虹霓(こうげい)」として詩に詠まれ、西洋でも「ノアの方舟」の逸話に希望の象徴として描かれます。
春の虹は、希望と再生の象徴です。
🗓 暦 ― 太陽黄経25°、穀雨を迎える前
清明・末候は太陽黄経25°前後。
令和8年は4月14日ごろで、次の節気「穀雨」は4月19日。
春の雨が続き、植物がぐんぐんと成長する時期です。
虹の見える空は、次の季節への橋渡しを意味します。
💬 ひとこと
雨上がりの空に浮かぶ虹。
その光の輪に、季節の希望が宿ります。
春の終わりと初夏の始まりをつなぐ、心晴れやかな瞬間です。
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