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【春分・初候】 雀始巣(すずめはじめてすくう)| 3月20日頃

🐦 春分・初候 雀始巣(すずめはじめてすくう)

🌤 自然 ― 雀が巣をかけ、いのちめぐるころ

 春分の初候は「雀始巣(すずめはじめてすくう)」。

 “雀が巣をつくり始める”という意味で、令和8年(2026年)は3月20日ごろ、太陽黄経はおよそ0度。

 冬を越えた生きものたちが動き始め、いのちの循環が再び勢いを取り戻す季節です。

 軒下では雀が藁や枯れ草を集め、せっせと巣づくりに励みます。

 人里には鳥の声が増え、田や畑では蛙の鳴き声も聞こえはじめる。

 春の光が降りそそぎ、空気の中にあたたかな「命のざわめき」が満ちています。

 春分を迎えた自然は、まさに“動”の季節へと踏み出しています。

【春分】(しゅんぶん)

 太陽が真東から昇って真西に沈み、昼夜がほぼ等しくなる

 月: 二月中  太陽黄経: 0°

初候 雀始巣	

(すずめはじめてすくう)

雀が巣を構え始める

🏠 暮らし ― 動き出す春、暮らしも軽やかに

 雀が巣をつくるように、人の暮らしも活動を増す時期。

 年度末を控え、家の整理や掃除、新生活の準備を始める家庭も多く、自然のリズムと人の営みが重なる頃です。

 また、春分の日をはさんだ「彼岸の中日」は、先祖への感謝と共に、日常を整える時間。

 ぼたもちを供え、花を飾り、“暮らしの巣”をもう一度見直す良い節目です。

🍲 旬 ― 巣立ちの春、芽吹きの味覚

 この頃は、春の味覚が勢ぞろいします。

 菜の花、うど、せり、たけのこ、春キャベツなど、やわらかく香り高い食材が食卓を彩ります。

 魚では、さわら、真鯛、いさき、しらすなど、春の海の恵みが豊富に。

 春の巣立ちを祝うように、ちらし寿司や春野菜の天ぷらなど、色鮮やかな料理が似合う時期です。



📚 文化 ― 雀とともに生きる日本の原風景

 雀は、古くから日本の暮らしに寄り添う鳥。

 田を守り、虫を食べ、穀物と共に生きる“豊穣の象徴”とされてきました。

 「雀始巣」は、そんな自然と人との共生を感じさせる候です。

 俳句でも「雀」「巣作り」「巣立ち」は春の季語。

 温もりと生命の息づかいが交わる情景が好まれています。

 春のはじまりを伝える小さな命――それが雀です。

🗓 暦 ― 太陽黄経0°、春分の光あふれるころ

 春分・初候は太陽黄経0°前後。
 昼と夜の長さがほぼ等しく、季節が“明”へと転じる境目の候です。

 国立天文台の暦要項によれば、令和8年の春分は3月20日。

 春の陽気が安定し、自然界の活動が本格化します。

💬 ひとこと

 軒下に雀の声が響くと、春の確かさを感じます。

 小さな命の営みが、日常に優しさを運んでくる――

 雀が巣をつくるように、私たちも新しい季節に心の居場所をつくる時期です。


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