🌱 自然 ― 地中から命が動き始める
啓蟄(けいちつ)は、二十四節気の第三節気です。
太陽黄経は345度。暦では「二月節」にあたります。
暦計算室では、啓蟄を
「冬ごもりしていた地中の虫がはい出てくる」
ころとしています。
「啓」には開く、「蟄」には虫などが土の中にこもるという意味があります。
寒い冬の間、地中や物陰で過ごしていた生き物が、春の暖かさを感じて少しずつ動き始める。
そんな季節の変化を表した節気です。
実際には、すべての虫が啓蟄の日を境に一斉に出てくるわけではありません。
それでも、日差しが強まり、地面の温度が上がり、草木の芽吹きも進むころ。
春の動きが、目に見える形で増えていきます。

【啓蟄】 (けいちつ)
冬ごもりしていた地中の虫がはい出てくる
月: 二月節 太陽黄経:345°

🏠 暮らし ― 春の活動が少しずつ広がるころ
啓蟄のころになると、寒さの中にも穏やかな日が増え、外で過ごしやすい日が少しずつ多くなってきます。
庭や畑では土がゆるみ、草木の芽が動き始めます。
農作業や庭仕事など、春に向けた作業が本格的に始まる地域もあります。
一方で、朝晩はまだ冷え込み、寒の戻りが見られることもあります。
暖かい日が続いたあとに再び冷えることもあるため、春になったとはいえ冬物をすぐに片づけるには少し早い時期です。
啓蟄は、春の活動が始まりながらも、まだ冬の名残が残る季節の境目でもあります。
🍲 旬 ― 春の野菜や山菜が増えてくる
啓蟄のころは、早春の食材が少しずつ豊かになってきます。
菜の花、ふきのとう、うど、せりなど、春らしい香りや苦みを持つ野菜や山菜が食卓に登場します。
春キャベツや新玉ねぎなど、春を感じさせる野菜も見かけるようになります。
果物では、地域によっていちごなどが旬を迎えます。
冬の食材から春の食材へ。
食卓の色や香りにも、季節の変化が表れてくるころです。


📚 文化 ― 「啓蟄」という言葉に込められた春
啓蟄という言葉は、春になって生き物が動き始める姿を端的に表しています。
昔の人々は、気温や日照時間だけではなく、虫や鳥、草木の変化を通して季節を感じ取ってきました。
地中にこもっていた虫が姿を見せることは、春が進んでいることを知らせる身近な変化のひとつでした。
啓蟄という節気には、目に見えない地中の変化まで季節として捉える、暦の細やかな感覚が表れています。
🗓 暦 ― 太陽黄経345°、二月節
啓蟄は、雨水と春分の間に位置する二十四節気です。
太陽が黄経345度に達したときが啓蟄で、暦では「二月節」にあたります。
春の六節気は、
立春
↓
雨水
↓
啓蟄
↓
春分
↓
清明
↓
穀雨
と進みます。
立春で春が始まり、雨水で雪や氷が水へ変わり、啓蟄では地中の生き物が動き始める。
そして次の春分では、昼と夜の長さがほぼ等しくなります。
二十四節気を順に見ていくと、春が少しずつ深まっていく様子がわかります。
🌿 啓蟄の七十二候
啓蟄の約15日間は、さらに三つの七十二候に分けられます。
初候 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
冬籠りの虫が出て来るころ。
次候 桃始笑(ももはじめてさく)
桃の花が咲き始めるころ。
末候 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)
青虫が羽化して紋白蝶になるころ。
地中の虫が動き出し、桃の花が咲き、青虫が蝶になる。
啓蟄の七十二候には、動物と植物の両方から、春が進んでいく姿が描かれています。
💬 ひとこと
啓蟄は、春の気配が目に見える形で増えてくるころです。
土の中で冬を過ごしていた虫が動き始め、桃の花が咲き、蝶が舞う。
まだ寒の戻りはありますが、自然は確実に次の季節へ進んでいます。
「冬ごもりしていた地中の虫がはい出てくる」。
啓蟄という言葉には、春の訪れを生き物の動きから感じ取る、昔の人々のまなざしが込められています。
二十四節気 啓蟄の次…春分

二十四節気 啓蟄のひとつ前…雨水

\ +深堀り です/
