🌤 自然 ― 寒さも峠を越え、春の気配が感じられる
立春(りっしゅん)は、二十四節気の第一節気です。
太陽黄経は315度。暦では「正月節」にあたります。
暦計算室では、立春を
「寒さも峠を越え、春の気配が感じられる」
ころとしています。
立春の「立つ」には、季節が始まるという意味があります。
そのため立春は、二十四節気では春の始まりです。
とはいえ、日本ではまだ寒さの厳しい時期。雪の残る地域も多く、実際の気候がすぐに春らしくなるわけではありません。
それでも、冬至を過ぎて少しずつ長くなってきた昼の光や、梅のつぼみ、木々の芽などに、次の季節へ向かう変化が現れ始めます。
寒さの中に、春の気配を探す――。
それが立春という節気です。

【立春】 (りっしゅん)
寒さも峠を越え、春の気配が感じられる
月: 正月節 太陽黄経:315°

🏠 暮らし ― 節分を越えて春を迎える
立春の前日は「節分」です。
節分とは、本来「季節を分ける」という意味を持つ言葉です。
かつては立夏・立秋・立冬の前日も節分とされましたが、現在では特に立春の前日を指すことが一般的になっています。
豆まきなどの節分行事を終えると、翌日は立春。
暦の上では、ここから春が始まります。
ただし、立春と旧暦の正月は同じものではありません。
立春は太陽の位置によって決まる二十四節気の一つで、旧暦の正月は月の満ち欠けをもとに決まります。
年によって両者の日付は異なります。
立春は「新年そのもの」ではなく、春という季節の始まりを示す暦の節目です。
🍲 旬 ― 冬から早春へ移る味覚
立春のころは、冬の味覚を楽しみながら、少しずつ早春の食材が姿を見せ始める季節です。
野菜では、菜の花やふきのとうなど、春を感じさせる食材が出回り始めます。
ふきのとうのほろ苦さは、まだ寒い季節の中で春の訪れを感じさせる味覚のひとつです。
大根や白菜、長ねぎなど、冬の野菜も引き続き食卓を支えます。
魚介では、地域によって旬は異なりますが、冬から春へ移る季節ならではの魚が店先に並びます。
冬の味覚を惜しみながら、春の香りを少しずつ取り入れていく時期です。


📚 文化 ― 「春立つ」と季節を迎える心
立春は、古くから春の到来を意識する節目として親しまれてきました。
「春立つ」「春来る」といった言葉は、和歌や俳句でも季節の変化を表す言葉として用いられています。
実際の寒さが残っていても、暦が春を告げることで、人は自然の中に小さな春を探してきました。
また現在では、立春の日の朝に搾った日本酒をその日のうちに届ける「立春朝搾り」といった催しも行われています。
昔から続くものだけでなく、新しい形でも「春を迎える日」として立春は親しまれています。
🗓 暦 ― 太陽黄経315°、正月節
立春は太陽黄経315度にあたり、「正月節」と呼ばれます。
二十四節気では第一節気に位置し、
立春
↓
雨水
↓
啓蟄
↓
春分
↓
清明
↓
穀雨
と春の六節気が続きます。
ここで注意したいのは、立春を「一年そのものの始まり」と単純に考えないことです。
二十四節気の並びでは立春が第一節気ですが、現在の暦年は1月1日に始まり、旧暦の正月も立春とは別の仕組みで決まります。
立春が示しているのは、あくまで二十四節気における「春の始まり」です。
暦の上で春が立ち、季節の巡りが次の段階へ進みます。
🌿 立春の七十二候
立春の約15日間は、さらに三つの七十二候に分けられます。
初候 東風解凍(はるかぜこおりをとく)
東風が厚い氷を解かし始めるころ。
次候 黄鶯睍睆(うぐいすなく)
鶯が山里で鳴き始めるころ。
末候 魚上氷(うおこおりをいずる)
割れた氷の間から魚が飛び出るころ。
厚い氷がゆるみ、鶯が鳴き、魚が水面へ姿を見せる。
立春の七十二候には、まだ寒い自然の中で少しずつ動き始める春の姿が描かれています。
💬 ひとこと
立春と聞くと「もう春」と思いますが、実際にはまだ寒い日が続きます。
立春が教えてくれるのは、暖かさそのものではなく、寒さの中に現れ始める春の気配です。
少し長くなった日差し。
ふくらみ始めた木の芽。
そして、氷の下で動き始める水。
目に見える季節はまだ冬でも、自然は少しずつ次の季節へ向かっています。
「寒さも峠を越え、春の気配が感じられる」。
その小さな変化を感じ取る節気が、立春です。
二十四節気 立春の次…雨水

二十四節気 立春のひとつ前…大寒

\ +深堀り です/
