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【清明】(せいめい) 4月 4日|すべてのものが生き生きとして、清らかに見える…

🌸 清明(せいめい)

🌤 自然 ― 万物が清く明るく、生き生きとするころ

 清明は二十四節気の第五節。太陽黄経は15度、令和8年(2026年)は4月4日。

 “清浄明潔(せいじょうめいけつ)”の略で、空気は澄み、草木は萌え、すべての生命が明るく輝く季節を意味します。

 野も山も若草の緑に包まれ、花々は競うように咲き誇ります。
 桜が散って新芽がのび、ツツジやレンゲが彩りを添えるころ。

 空は透き通るように青く、雲は白く柔らかく、風には春と初夏が混ざり合うような心地よさが漂います。

 “清く、明るく”――この言葉どおり、自然が最ものびやかに呼吸する時期です。

【清明】(せいめい)

すべてのものが生き生きとして、清らかに見える

月: 三月節  太陽黄経: 15°

🏠 暮らし ― 清らかに整え、春を楽しむ

 清明の名の通り、暮らしの中にも「清らかさ」が意識されるころ。
 冬の重さを払い、衣替えや大掃除をして、 家の空気を入れ替えるのにちょうどよい時期です。

 沖縄ではこの時期に「清明祭(シーミー)」が行われ、先祖の墓前に家族が集い、料理を供えて語り合う風習があります。

 中国でも「清明節」があり、墓参りと共に春の行楽を楽しむ日。
 自然の中で祖先と向き合い、いのちの連なりを感じる節目でもあります。

 日本本土でも、花見や山菜採り、庭仕事など、春の陽気を体いっぱいに感じる行事が盛んになります。

🍲 旬 ― 若葉の季節、みずみずしい味覚

 清明のころは、山菜がいよいよ本番。

 たけのこ、わらび、ぜんまい、うど、木の芽、たらの芽など、“山の香り”を食卓で味わえる時期です。

 海では、しらす、あさり、桜鯛、メバルなどが旬。

 桜鯛の鯛めしや、たけのこの若竹煮など、春の香りと初夏のうま味を合わせた料理が喜ばれます。

 また、緑茶の新芽が育ち始め、清明前後に摘まれた茶葉は「清明茶」と呼ばれ香り高い逸品。

 自然のエネルギーを体に取り入れる季節です。



📚 文化 ― 明るさと命をたたえる季節

 「清明」は、自然と人の調和を最も象徴する節気。

 古来より“清明の候”という挨拶文が使われ、明るくのびやかな気配を伝える表現として親しまれています。

 俳句や和歌でも、「清明」は春の終盤を彩る季語。澄んだ空気と光に心を重ねる詩が多く詠まれました。

 また、中国の詩人・杜牧の詩「清明(清明時節雨紛紛)」は、この季節の情緒を代表する名作として知られています。

 万物がいのちを取り戻す季節、それが清明です。

🗓 暦 ― 太陽黄経15°、春の中心から初夏へ

 清明は太陽黄経15°に位置し、春分から約15日後。
 国立天文台の暦要項によれば、令和8年の清明は4月4日。

 春の陽気が安定し、気温も上昇して過ごしやすくなります。
 次の節気「穀雨」へ向かい、植物の成長と農作業の準備が本格化する時期です。

 まさに、季節の“生命力の頂点”にあたる節目です。

💬 ひとこと

 風も光もやわらかく、空は透き通るように青い。

 この季節を歩くだけで、心まで洗われるようです。

 清く、明るく――
 自然と人の呼吸がひとつになる、春のまぶしい節目です。


二十四節気 清明の次…穀雨  

二十四節気 清明のひとつ前…春分

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