【秋分・次候】蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)|虫が土中に隠れるころ

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🌿 秋分・次候 ― 虫が土中に隠れる

蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)は、二十四節気「秋分」の次候です。

七十二候では、

「虫が土中に掘った穴をふさぐ」

ころを表します。

時期の目安は、9月下旬頃です。

秋分の初候「雷乃収声」では、夏の空を象徴していた雷の声が少しずつ収まる様子が描かれました。

次候の「蟄虫坏戸」では、今度は視線が地面へ移ります。

気温が下がり始める中で、虫たちが地中や物陰に身を隠し、これから迎える寒い季節へ備える。

そんな秋の深まりを表した候です。

【秋分】(しゅうぶん)           月: 八月中     太陽黄経:180°

  太陽が真東から昇って真西に沈み、昼夜がほぼ等しくなる               

次候 蟄虫坏戸

(むしかくれてとをふさぐ)

虫が土中に掘った穴をふさぐ


🐛 「蟄虫」とは

「蟄(ちつ)」には、虫などが地中に隠れて活動を控える、という意味があります。

「蟄虫」は、寒い季節を前に、土の中や物陰などに身を潜める虫を表しています。

ただし、すべての虫が同じ方法で冬を越すわけではありません。

成虫で越冬するもの。

幼虫で越冬するもの。

蛹や卵の状態で冬を越すもの。

種類によって方法はさまざまです。

七十二候の「蟄虫」は、そうした細かな生態の違いを一つにまとめ、虫たちが寒い季節へ向けて姿を隠していく季節を表した言葉と考えるとよいでしょう。


🚪 「坏戸」とは何を表す?

「坏戸」という文字は、日常ではほとんど目にしません。

七十二候では、

むしかくれてとをふさぐ

と読みます。

ここでいう「戸」は、虫が地中へ入るための穴の入口を、戸口に見立てた表現です。

虫が穴に入り、その入口を閉ざして冬ごもりへ向かう。

人が家の戸を閉めるように、虫も自分の居場所を閉ざす。

七十二候らしい、自然を人の暮らしに重ねた表現です。


🍂 自然 ― 虫の声にも変化

秋分を過ぎるころ、朝夕の涼しさはさらに増してきます。

草むらでは秋の虫の声が聞こえますが、その顔ぶれや勢いも少しずつ変化していきます。

日中の気温が高い日はまだ活動的でも、朝晩の気温が下がれば、虫の動きは鈍くなることがあります。

葉の陰。

木の皮の下。

土の中。

人の目には見えないところで、さまざまな生き物が季節に合わせて行動を変えています。

蟄虫坏戸は、目立つ自然現象ではなく、見えなくなっていく生き物の変化に秋を見つけた候です。


🌸 春の「蟄虫啓戸」と対になる

蟄虫坏戸には、春に対となる候があります。

啓蟄の初候、

蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)

です。

春には、

戸を開く。

秋には、

戸をふさぐ。

地中に隠れていた虫が春に活動を始め、秋には再び身を隠す。

この二つを並べると、七十二候が虫の一年を大きな循環として捉えていることが分かります。


🏠 暮らし ― 秋が一段深まる

9月下旬頃になると、暮らしの中でも秋をはっきり感じる日が増えてきます。

朝晩には長袖が欲しい日もあり、寝具を少し厚くしたり、衣替えを意識したりするころです。

秋分を過ぎると、昼より夜の時間が長くなっていきます。

夕方も早く暗くなり、夏とは違った時間の流れを感じるようになります。

虫が冬へ備えるように、人の暮らしも少しずつ寒い季節を意識し始めます。


🍎 旬 ― 秋らしい食卓へ

蟄虫坏戸のころは、秋の味覚がさらに豊かになります。

梨、ぶどう、りんご、柿。

栗も旬を迎えます。

新米が出回る地域も増え、食卓には秋らしいものがそろいます。

野菜では、里芋、れんこん、きのこ類なども季節感を感じさせます。

夏の食材が中心だったころから、実りの秋らしい食卓へ。

季節の変化は、食べ物にもはっきりと現れます。


📚 深掘り ― 虫はどうやって冬を越す?

蟄虫坏戸に登場する「虫」については、別の記事で詳しく紹介しています。

虫は本当に土の中に入るのか。

どのような姿で冬を越すのか。

「蟄」とはどんな状態なのか。

春の「蟄虫啓戸」と秋の「蟄虫坏戸」はどのようにつながっているのか。

七十二候の表現と、実際の昆虫の越冬を分けながら見ていきます。


🗓 秋分の三候

秋分の七十二候は、

初候 雷乃収声
雷の声が収まる

次候 蟄虫坏戸
虫が土中に掘った穴をふさぐ

末候 水始涸
田畑の水を干し始める

と進みます。

空の雷。

地中へ隠れる虫。

そして田畑の水。

秋分の三候は、夏の活動的な自然が少しずつ落ち着き、秋が深まる様子を描いています。


🌿 雷から虫へ

初候「雷乃収声」は、空の変化でした。

次候「蟄虫坏戸」では、季節の変化が地中の生き物へ移ります。

空から地面へ。

聞こえる雷から、見えなくなる虫へ。

七十二候は、季節の変化を一つの場所だけで捉えているのではありません。

空。

草木。

鳥。

虫。

田畑。

自然のあらゆる場所から、秋の深まりを拾い上げています。


💬 ひとこと

虫の姿を見なくなることも、季節の変化です。

春には地中から出てきた虫が、秋には再び隠れていく。

七十二候は、その小さな生き物の動きにも一年の循環を見つけました。

春には戸を開き、秋には戸を閉じる。

蟄虫坏戸は、虫たちが次の季節へ備える姿から、秋の深まりを感じる候です。


次の七十二候… 秋分・末候

ひとつ前の七十二候… 秋分・初候


\ +深堀り です/


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