※ 2025年5月19日公開の本記事は、二十四節気・小満と小満・初候の七十二候(蚕起食桑)を併記した内容であることから、2025年9月16日本記事内容をもとに再構成した二十四節気【小満】の単独記事を公開しました。
なお、本記事は、タイトルはそのまま存続させ、小満・初候〈蚕起食桑〉の記事として、一部補完整形を伴いつつ、他の七十二候記事と同様の扱いをいたします。
【小満】(しょうまん)
すべてのものがしだいにのびて天地に満ち始める
月: 四月中 太陽黄経: 60°


初候
蚕起食桑
(かいこおきてくわをはむ)
蚕が桑を盛んに食べ始める
小満の始まり 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」
 小満のはじまりは、命が本当に勢いを持ち始めるような、そんな空気を感じるように思います。
 「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」は、養蚕という人の営みとの関わりの中で、若葉の桑を盛んに食べ始めるという情景ではないでしょうか。
 昔の農家では、蚕の飼育はとても大切な仕事でした。
 家の中で「蚕棚(かいこだな)」を組んで、桑の葉を細かくちぎり、「お蚕さま」に食べさせるのが、子どもたちの仕事でもありましたね。
 「シャリシャリ」「モゴモゴ」と聞こえる蚕の咀嚼音が、眠る前の家の静けさにまざっていたという話もあります。
 今ではなかなか見かけることのない光景ですが、「自然と共にある暮らし」の記憶が、こうした候の由来なのだと思います。
 実は、私の子供の頃、町には製糸場がまだあり、周辺には桑畑、そして、今から思えば、世代交代されたのかもしれないカイコをよく見かけました。私の祖母は、製糸場の女工から室長、寮長、そして、繭関係の公務機関への出向など、まさに蚕の仕事をしていたのです。
 そんなこともあり、蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)には、子供の頃のことなどいろんなことが思い起こされるのです…。
草木の勢いと満ちる気配
 2025年のこの時期は、全国的に日照時間も安定し、植物の生長が一段と加速しています。
 一方で、梅雨入り前の雨の日があるなど、庭の花木や山々の緑にも一気に活気が出てきました。
 気温は東京でも25〜28℃と、夏の入り口を思わせる暑さも予報されています。
🌿 季節のひとこと
 「起きて」「食べる」——。
 蚕の姿は見えなくても、自然界の生命たちが動き出している音は、どこかでちゃんと聞こえている気がします。
 自分の暮らしの中でも、小さな“満ちていく気配”を感じながら過ごしたいですね。
☆ 見つけました。「カイコのひみつ」。
  農研機構、正式名称だと、「国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構」というと
 ころに、季節の話題を取り上げてご紹介する連載コンテンツ「農研機構 「旬」の話題」という
 のがありました。この機会に、カイコのこと、少し勉強しましょう。

リンク先こちら
      ↓
「カイコのひみつ」第 1 弾 
農研機構ホーム>プレスリリース・広報>農研機構「旬」の話題>カイコのひみつ
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2025年9月16日本記事内容をもとに再構成した二十四節気【小満】の単独記事「【小満】5月21日|すべてのものがしだいにのびて天地に満ち始める」を公開しました。



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