大雪の次候は「熊蟄穴(くまあなにこもる)」です。
熊が穴に入り、冬ごもりを始めるころをいいます。
冬が近づくと、
多くの動物は活動のしかたを変えます。
食べ物が少なくなり、
気温も低くなるためです。
その中でも、熊は冬の間ほとんど活動しなくなる動物として知られています。
この行動が、季節の変化を示す自然現象として七十二候に取り入れられました。
熊の冬眠
熊は冬になると、
巣穴や岩のくぼみなどに入り、長い休息の状態に入ります。
これを冬眠と呼びます。
冬眠中の熊は、
食事をとることもほとんどなく、
外へ出ることもありません。
体の活動を大きく抑え、
蓄えた脂肪を使って冬を過ごします。
このような生き方は、
寒い地域に住む動物に見られる特徴です。
冬眠の準備
熊は秋の間、
大量の食べ物を食べて体に脂肪を蓄えます。
木の実や果実、
昆虫や魚などを食べて栄養を蓄えます。
体に十分な脂肪がたまると、
冬を越す準備が整います。
その後、
寒さが強まるころになると
穴の中へ入り、活動を止めます。
この行動が
「蟄(ちつ)」という言葉で表されています。
「蟄」という言葉
蟄とは、
生き物が土や穴の中に隠れることを意味します。
春の節気「啓蟄」では、
虫が地中から出てくる様子を表します。
それに対してこの候では、
動物が穴に入って冬を過ごす様子が示されています。
つまり蟄という言葉は、
生き物が季節によって姿を隠すことを表しています。
中国の自然観察
七十二候が成立した中国北部には、
野生の熊が生息しています。
冬の寒さが強くなると、
熊は山の穴などに入り冬眠します。
この行動は、
冬の訪れを示す自然の出来事として知られていました。
そのため、
熊が穴にこもる現象が
季節の候として取り入れられました。
日本の熊
日本にも、
ツキノワグマが生息しています。
秋の終わりになると、
山の中で冬眠の準備を始めます。
木の洞や岩穴、
土のくぼみなどを巣として使います。
寒さが強くなると、
そこに入り長い冬を過ごします。
この行動は、
日本の山の自然でもよく知られています。
大雪三候の流れ
大雪の三候は、
閉塞成冬
熊蟄穴
鱖魚群
と続きます。
冬が本格的になり、
熊が穴にこもり、
魚が群れを作ります。
空、動物、魚の順に、
自然の変化が描かれています。
熊蟄穴は、
その中心に置かれた候です。
静かな冬の山
冬の山は、
動物の姿が少なくなります。
多くの生き物が、
寒さを避けるために隠れるからです。
熊もまた、
静かな穴の中で冬を過ごします。
雪の季節の山は、
静かな自然の姿になります。
熊蟄穴は、
冬の山の静けさを示す候です。
要点整理
・熊は冬になると穴に入り冬眠します
・秋に脂肪を蓄えて冬に備えます
・蟄は生き物が隠れることを意味します
・冬の自然の静けさを示す候です

