虫 ― 冬へ向けて身を隠すころ

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秋分の次候は「蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)」です。

虫が土の中に隠れ、
巣穴の入口を閉ざすころをいいます。

ここでいう「蟄虫」は、
地中に潜って冬を過ごす生き物を指します。

昆虫だけでなく、
小さな動物も含む広い意味の言葉です。


「蟄」という言葉

「蟄」は、
虫が地中に潜り身を隠すことを意味します。

春の節気「啓蟄」でも使われる言葉です。


啓蟄では、
虫が地中から出てくる様子を表します。

それに対してこの候では、
再び土の中へ戻る様子が示されています。


「坏戸」の意味

「坏」は壊すという意味ではなく、
閉ざす、塞ぐという意味で使われています。

「戸」は入口を指します。


つまり「坏戸」は、
巣穴の入口を閉じることを表します。


地中の巣穴の入口を
土などでふさぐ様子を意味しています。


なぜ秋分のころなのか

秋分は、
昼と夜の長さがほぼ同じになる節気です。

このころから、
夜が次第に長くなります。


気温も少しずつ下がり、
昆虫の活動は弱まります。


そのため、
多くの生き物が越冬の準備を始めます。


蟄虫坏戸は、
その行動を表しています。


中国の気候との関係

七十二候が成立した中国北部では、
秋の気温の低下が比較的早く現れます。


秋分のころには、
昆虫の活動が急に減り始めます。


そのため、
虫が地中に潜る現象が
はっきりと観察されます。


この自然の変化が、
暦の候として取り入れられました。


日本の風土との違い

日本では、
秋分のころでも昆虫の活動はまだ見られます。

特に暖かい地域では、
虫の声がしばらく続きます。


しかし気温が下がるにつれて、
虫の姿は少しずつ減っていきます。


多くの昆虫は、
卵や幼虫、さなぎの状態で冬を越します。


その準備が、
この時期から始まります。


秋分三候の流れ

秋分の三候は、

雷乃収声
蟄虫坏戸
水始涸

と続きます。


空の変化から始まり、
生き物の行動へ移り、
水の状態へと続きます。


季節が、
確実に冬へ向かっていることを示しています。


蟄虫坏戸は、
その中間の段階です。


生き物の静かな準備

秋は、
収穫の季節であると同時に
冬への準備の季節でもあります。


多くの生き物が、
活動の場所を変えます。


地上から地中へ。


静かな場所へ移り、
寒い季節を待ちます。


蟄虫坏戸は、
生き物が冬へ備える姿を示す候です。


要点整理

・蟄虫は地中に潜る生き物を指します
・坏戸は巣穴の入口を閉じることです
・昆虫が越冬準備を始める時期です
・秋が冬へ向かう過程を示しています



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