【秋分】(9月23日)…太陽が真東から昇って真西に沈み、昼夜がほぼ等しくなる…/nanikorenet

二十四節気|秋分:暦が刻む平等の季節

 秋分は二十四節気の中で真ん中に位置し、昼と夜がおおよそ等しくなる日として知られます。2025年の秋分は、**9月23日(火)**で、日本ではこの日を「秋分の日」として国民の祝日にもなっています。

 「秋分」の節気名は、「分(わかつ)」という字が示す通り、昼夜を“分ける”という自然の均衡を表しており、暦の上では秋そのものの真ん中、つまり本格的な秋の始まりを意味しています。

【秋分】(しゅうぶん)
 
太陽が真東から昇って真西に沈み、昼夜がほぼ等しくなる

  月: 八月中  太陽黄経:180°

季節の景色と暮らしのリズム

 この頃、田んぼでは稲穂が黄金色に輝き、そろそろ収穫が迫ります。

 野山には彼岸花(赤い曼珠沙華)が咲き始め、古来からお彼岸の風物詩としても親しまれてきました 。

 また、虫の声はコオロギへと移り変わり、日中の穏やかな陽射しにはどこか黄昏の優しさが宿ります。

 秋分はそうした「自然のしらべ」が豊かに聞こえる節目です。


現代の暮らしと行事

 この日は国民の祝日となっています。

 多くの人がお墓参りに出かけ、祖先をしのぶ時。仏教ではこの日を中心に「彼岸」という7日間を大切にし、仏やご先祖との距離を感じやすいとされています。

 また、学業や仕事など、学校や企業も忙しくなってきます。仕事や生活のリズムが新たに切り替わる節目でもあります。


2025年の気象傾向

 気象庁の3か月予報では、2025年夏は猛暑が長引いた反面、9月下旬から秋分にかけては全国的に気温は平年並み〜やや高めで推移すると見られています。

 秋雨前線や台風の動きには引き続き注意が必要で、局地的な大雨が発生するリスクもあります。

 また、秋の気配を探す余裕を持ちたいものの、まだまだ残暑の余韻も色濃い年になるかもしれませんので、衣替えや冷暖対策を無理なく進めてください。


特別な月夜—秋分と「中秋の名月」

 今年は、中秋の名月が秋分の期間の「最後の日」に訪れます。

 2025年の中秋の名月(旧暦8月15日は「十五夜」)は、**10月6日(月)**です。

 満月はその翌日10月7日になりますので、この月夜が秋分から秋の本格化に向かう導入のように響きます。

「秋分の日」は昼と夜の長さが等しくなると同時に、これから深まる夜への変化を予感させる時でもあるのです。

ひとこと—秋の門出を意識する一日

 秋分は、昼夜の均衡という“自然の調和”を体感する節気です。

 2025年は残暑や不安定な天候が続く可能性もありますが、だからこそ稲穂の色づき、虫の声、月の揺らぎといった繊細な季節の変化に心を傾ける時間が豊かさを増してくれます。

 中秋の名月と秋分がつながる年はめずらしく、自然と暮らし、暦と文化が深くかさなる“秋の幕開け”を、より深く感じる機会になるでしょう。

二十四節気 秋分の次…寒露 

二十四節気 秋分のひとつ前…白露

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