秋分の末候は「水始涸(みずはじめてかるる)」です。
水が次第に少なくなり始めるころをいいます。
ここでいう水は、
川の流れそのものではなく、
田畑や地面にたまった水を指すことが多いとされています。
秋が進むにつれて、
地面の水は少しずつ引いていきます。
「涸れる」という言葉
「涸れる」は、
水が完全になくなることだけを意味する言葉ではありません。
水が減り、
乾き始める状態も含みます。
秋分のころは、
まさにその最初の段階です。
夏の間に蓄えられた水が、
少しずつ地面から消えていきます。
夏の水の多さ
夏は、
雨の多い季節です。
梅雨や夕立、
台風の雨などによって
多くの水が地面に蓄えられます。
湿度も高く、
空気は水分を多く含んでいます。
そのため、
田畑や湿地には水が残りやすくなります。
秋に起こる変化
秋になると、
降水の型が変わり始めます。
夏のような強い対流の雨が減り、
空気も少しずつ乾き始めます。
その結果、
地面の水は蒸発し、
少しずつ減っていきます。
これが
「水始涸」という状態です。
中国の気候との関係
七十二候が成立した中国北部では、
秋になると空気が乾きやすくなります。
降水量も減り、
地面の水分は急速に減っていきます。
川の流れも落ち着き、
湿地の水が引くこともあります。
このような環境の変化が、
「水始涸」という候として表現されました。
日本の風土との違い
日本では、
秋にも雨が多い年があります。
秋雨前線や台風の影響で、
水が増えることもあります。
そのため、
秋分のころに必ず水が減るとは限りません。
しかし、
夏の激しい雨は少なくなり、
水の動きは落ち着いてきます。
この意味では、
季節の流れとして理解することができます。
秋分三候のまとめ
秋分の三候は、
雷乃収声
蟄虫坏戸
水始涸
と続きます。
雷が静まり、
虫が隠れ、
水が引き始める。
空、地面、生き物の順に、
季節の変化が表されています。
水始涸は、
自然の活動が次第に落ち着くことを示す候です。
秋の静かな変化
秋は、
派手な変化の季節ではありません。
少しずつ、
自然の活動が静まっていきます。
水もまた、
その変化のひとつです。
地面の水が引き始めるころ、
季節は確実に冬へ向かっています。
水始涸は、
その静かな転換を示す候です。
要点整理
・水始涸は地面の水が減り始める状態です
・秋は降水の型が変わります
・中国では乾燥が進み水が減りやすくなります
・自然の活動が静まる季節を示します

