秋分の初候は「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」です。
雷が鳴りやむころをいいます。
ここでいう雷は、夏の間に多く発生する雷雨を指します。
秋分のころになると、雷の活動は次第に少なくなります。
その変化が、この候として表されています。
雷が生まれる仕組み
雷は、積乱雲の中で発生する現象です。
強い上昇気流によって雲が発達し、
氷や水滴が激しく動くことで電気が生まれます。
この電気が放電すると、
稲妻と雷鳴が起こります。
積乱雲は、
地面が強く温められることで生まれます。
そのため、
雷は夏に多く発生します。
夏の雷
夏の雷は、
夕立として現れることが多くあります。
午後の強い日差しで空気が温められ、
急激に雲が発達します。
短時間の激しい雨と雷が起こり、
やがて空が晴れます。
この現象は、
夏の典型的な気象です。
秋分のころの変化
秋分のころになると、
日差しの強さが弱まり始めます。
昼の長さも短くなり、
地面が受ける熱が少なくなります。
その結果、
強い上昇気流が生まれにくくなります。
積乱雲の発達も減り、
雷の発生も少なくなります。
これが、
「雷乃収声」の意味です。
中国の気候との関係
七十二候が成立した中国北部では、
夏と秋の気温差が比較的大きくなります。
秋分のころには、
積乱雲の発生が急に少なくなります。
そのため、
雷が鳴らなくなる変化がはっきり現れます。
この現象を背景に、
雷乃収声という表現が生まれました。
日本の風土との違い
日本では、
秋にも雷が発生することがあります。
とくに台風や前線の影響で、
雷雨が起こることもあります。
そのため、
秋分のころに完全に雷がなくなるわけではありません。
しかし、
真夏のような夕立の雷は確実に減っていきます。
この意味では、
日本の季節の変化とも大きくはずれていません。
秋分三候の入口
秋分の三候は、
雷乃収声
蟄虫坏戸
水始涸
と続きます。
最初は雷。
次に虫。
最後に水。
空の変化から始まり、
地面の生き物と水の状態へと移ります。
雷乃収声は、
その最初の段階です。
音が消える季節
夏の空には、
雷の音が響きます。
しかし秋が近づくと、
その音は次第に聞こえなくなります。
空は静かになり、
季節は次の段階へ進みます。
雷乃収声は、
夏の終わりを空の音で示す候です。
要点整理
・雷は積乱雲によって発生します
・夏は上昇気流が強く雷が多くなります
・秋分のころには雷が減少します
・夏の終わりを示す自然現象です

