🌿 霜降・末候 ― 楓や蔦が色づく
楓蔦黄(もみじつたきばむ)は、二十四節気「霜降」の末候です。
七十二候では、
「楓や蔦が色づく」
ころを表します。
時期の目安は、11月上旬頃です。
霜降の初候「霜始降」では霜が現れ、次候「霎時施」では晩秋の小雨が描かれました。
末候になると、その冷え込みの中で木々の葉が赤や黄色へ変わっていきます。
山や公園、庭先など、景色そのものが秋の終わりを知らせる候が「楓蔦黄」です。
【霜降】(そうこう) 月: 九月中 太陽黄経:210°
霜が降りるころ

末候 楓蔦黄
(もみじつたきばむ)
もみじや蔦が黄葉する

🍁 「もみじ」とは
「もみじ」というと、一般にはカエデの葉を思い浮かべます。
しかし、本来「もみじ」は特定の一種類の植物だけを表す言葉ではありません。
秋になって葉が赤や黄色に色づくことを、
紅葉(もみじ)
と呼んできました。
その中でもカエデ類は、葉の形や鮮やかな色づきから「もみじ」の代表として親しまれています。
楓蔦黄では、楓だけでなく蔦も一緒に登場します。
🍂 「黄」と書いて「きばむ」
楓蔦黄の最後の文字は、
黄
です。
読みは、
きばむ
です。
名前だけ見ると「黄色くなる候」のようですが、実際の秋の葉は黄色だけではありません。
赤。
橙。
黄。
さまざまな色に変化します。
この候は、葉の色が変わり始め、秋の景色が深まる様子を表したものとして捉えるとよいでしょう。
🌳 自然 ― 山や町が色づく
11月上旬頃になると、紅葉が見頃を迎える地域も増えてきます。
山では木々が色づき、公園や街路樹にも秋らしい景色が広がります。
ただし、紅葉の時期は全国一律ではありません。
標高の高い場所では早く始まり、平地や暖かな地域ではもっと後になることがあります。
同じ地域でも、樹木の種類や日当たりによって色づく時期は異なります。
七十二候の楓蔦黄は、
この日から全国の紅葉が始まる
という意味ではありません。
晩秋を象徴する自然の姿として、色づく木々を取り上げています。
🌡 なぜ葉の色が変わる?
葉が色づくのは、秋になって気温が下がり、日照時間も短くなることなどと関係しています。
夏の葉で目立っていた緑色は、主に葉緑素によるものです。
秋になると葉緑素が分解され、緑色が薄れていきます。
すると、もともと葉に含まれていた黄色系の色素が目立ったり、植物によっては赤い色素が作られたりします。
その結果、葉が黄色や赤に見えるようになります。
紅葉は、単に「寒くなったから葉が赤くなる」というだけではなく、植物の中で起こる変化によって生まれる景色です。
🏠 暮らし ― 晩秋を楽しむ
楓蔦黄のころは、紅葉を見に出かける機会も増える時期です。
山。
寺社。
公園。
街路樹。
遠くへ出かけなくても、身近な場所で色づく葉を見ることができます。
朝夕にはかなり冷え込み、上着が必要になる日も増えてきます。
暦では、次の二十四節気は「立冬」。
秋を楽しみながら、暮らしでは冬支度も意識するころです。
🍎 旬 ― 秋から冬へ
楓蔦黄のころは、秋の果物と冬の果物が重なり始めます。
りんご。
柿。
みかん。
梨の晩生品種なども楽しめることがあります。
地域によっては、ゆずなどの柑橘も季節を迎えます。
野菜では、大根、白菜、ねぎなど、冬の食卓を感じさせるものも増えてきます。
新米とともに、温かな料理がおいしく感じられるころです。


📚 深掘り ― 楓と蔦はなぜ色づく?
楓蔦黄に登場する「楓」と「蔦」については、別の記事で詳しく紹介しています。
紅葉と黄葉はどう違うのか。
葉はなぜ赤や黄色になるのか。
楓と蔦は、どのように晩秋の景色をつくるのか。
そして、七十二候ではなぜ霜降の最後に紅葉が置かれているのか。
植物の変化と季節の景色を見ていきます。

🗓 霜降の三候を振り返る
霜降の七十二候は、
初候 霜始降
霜が降り始める
次候 霎時施
小雨が時々降る
末候 楓蔦黄
楓や蔦が色づく
と進みます。
白い霜。
晩秋の小雨。
赤や黄色の葉。
霜降の三候では、冷え込みが深まるにつれて、秋の終わりの景色が鮮やかに描かれています。
🌿 霜降から立冬へ
楓蔦黄は、霜降最後の候です。
次の二十四節気は、
立冬。
暦の上では冬が始まります。
霜が現れ、
小雨が降り、
木々が色づく。
霜降の三候をたどると、秋がゆっくりと終わり、冬へ向かう流れが見えてきます。
紅葉は秋の終わりを彩る景色であると同時に、次の季節が近づいていることを知らせる姿でもあります。
💬 ひとこと
秋の終わりは、静かに色を変えていきます。
緑だった葉が、
黄色に。
赤に。
そして、やがて落ちていく。
楓蔦黄は、木々の色の変化から秋の終わりと冬の近さを感じる七十二候です。
次の七十二候… 立冬・初候

ひとつ前の七十二候… 霜降・次候

\ +深堀り です/
