目次
🌿 自然 ― 若き鷹が空を覚える頃
小暑の末候は、夏空の下で巣立った若い鷹が飛び方・狩りの仕方を身につけるといわれる時期。
炎天の風はまだ湿り気を含みつつも、空の色は濃く高く、入道雲が天を支えるように立ち上がります。
初夏の色が少しずつ深まり、夏休みの気配が近づいてくるころ。
水田では稲の葉が濃さを増し、川辺ではトンボが舞い、朝は蝉の声が混じり始めます。
生き物が動き、育ち、次の段階へ進んでいく――その象徴として「鷹が学ぶ」と表現されたのでしょう。
【小暑】(しょうしょ) 月: 六月節 太陽黄経:105°
暑気に入り梅雨のあけるころ

次候 鷹乃学習
(たかすなわちわざをならう)
鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える
🏠 暮らし ― 夏本番に向けた体づくり
この頃は湿度と気温の上昇で、体は消耗しやすくなります。
食欲が落ちる時期だからこそ、軽めで涼やかな献立が役立ちます。
・きゅうり・みょうが・大葉などの香味野菜
・とうもろこし、枝豆などの夏豆
・冷奴、ところてん、梅干し
・水分と塩分補給(麦茶+塩ひとつまみ など)
昔の人はこうした食材で身体を整え、土用・大暑に備えました。
現代なら、無理な冷やし過ぎは避けつつ、エアコンとの付き合い方を「調整の時期」と考えると良いタイミングです。
🍉 旬 ― とうもろこし・すいか・鮎
鷹が空を覚えるように、野菜や果実も「走り」から「盛り」へ入ります。
| 食材 | ころ | 風味 |
| 🌽 とうもろこし | 出回り始めの甘味が強い | 茹で・かき揚げ・ご飯に |
| 🐟 鮎 | 清流の香りと骨ごと楽しむ季節 | 塩焼き・背ごし |
| 🍉 すいか | 体を冷やし水分を補う | 朝に食べると巡りが良い |
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📚 文化・ことば ― 鷹と武士
鷹は武家文化において、強さ・鋭さ・狩猟技術の象徴とされました。
「鷹乃学習」は幼鳥が大人に近づく姿を重ね、
季節の成熟と成長の象徴 として詠まれ伝わったと考えられます。
💬 ひとこと
暑さは加速し、盛夏が視界に迫ります。
まだ動きはじめたばかりの鷹のように、私たちも夏に備えて体を整える時。
無理をせず、少しずつ歩幅を広げていきたい季節です。
次の七十二候…
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