【小暑】(しょうしょ) 月: 六月節 太陽黄経:105°
暑気に入り梅雨のあけるころ

次候 鷹乃学習
(たかすなわちわざをなす)
鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える
若き鷹が、空を覚えはじめる頃
七十二候で小暑の末候は、「鷹乃学習(たか すなわち がくしゅうす)」。
意味は「鷹の子が飛ぶことや獲物の狩り方を覚えはじめる頃」です。
2025年では、7月17日ごろから21日ごろにあたるこの候。
山野の自然では、春に孵った鷹の雛が成長し、巣立ちの時を迎えます。親鳥に連れられながら、空の飛び方、狩りの仕方、そして“鷹として生きる術”を学んでいく、そんな季節です。
鷹の子が大空へ――季節の力を感じるとき
この時期の自然は、まさに“動きの季節”。
田んぼには稲がしっかりと根を張り、夏野菜は実を太らせ、空はぐんぐん高くなっていきます。
鷹の子が空を覚えるように、自然界のあらゆる命が「自分の季節」を生き始めている――そんなダイナミックな時間が流れています。
小暑の終わりとともに、暦は次の節気「大暑」へと向かい、いよいよ夏の本番が始まろうとしています。
空と雲と、蝉の声
このころになると、蝉の大合唱が各地で始まります。
ニイニイゼミやヒグラシだけでなく、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシなど、さまざまな種類の蝉たちが一斉に声を上げ、夏の空気をつくり出します。
空には入道雲がぐんと盛り上がり、夕方には雷鳴が響くことも。
日差しの強さ、空の青さ、地面からの熱気――五感すべてが「夏に包まれる」ような感覚がやってきます。
この時期の果物たちも、真夏仕様に
果物の旬も、いよいよ“夏本番”へ。
桃、ぶどう、ブルーベリー、スイカなどが勢ぞろいし、冷たいデザートやスイーツへのアレンジも楽しめる時期です。
とくにふるさと納税の返礼品では、夏限定の詰め合わせセットやギフト仕様の果物が人気を集めます。
冷蔵便・冷凍便も増えてくるので、保存方法にも注目です。


「学習」の意味が、自然から伝わるとき
「鷹乃学習」という表現には、自然に育つ命の姿勢が込められています。
誰かに教わるでもなく、環境や親の姿から、少しずつ自分で覚え、身につけていく――それは、野生の中で生き抜くために欠かせない“学び”の形。
私たち人間も、季節の変化や自然の姿を通して、「どう生きるか」を感じ取っているのかもしれません。
ひとこと
鷹の子が空を知るように、季節も空気も動き出す。
小暑の末候は、“夏という舞台”の準備がすべて整う時期でもあります。
蒸し暑さに疲れやすい時期ですが、自然を見つめる目を忘れずに。
空を見上げるだけでも、ほんの少し、気持ちがほぐれるかもしれません。

