この記事では、旧暦の基本構造を具体的に整理します。
旧暦の全体像については「旧暦とは何か」をご覧ください。
はじめに
旧暦は、日本の季節や行事を理解するうえで欠かせない暦です。
二十四節気や七十二候、年中行事の多くは、この旧暦の考え方を背景に成り立っています。
しかし旧暦は、単に「昔の暦」というだけではありません。
そこには、太陽と月の動きを同時に取り入れようとする、複雑な仕組みがあります。
本記事では、旧暦の基本となる構造を整理しながら、その成り立ちをわかりやすく見ていきます。
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旧暦とは太陰太陽暦である
旧暦は「太陰太陽暦」と呼ばれる暦です。
これは、
- 月の満ち欠け(太陰)
- 太陽の動き(太陽)
の両方をもとにした暦を意味します。
月の満ち欠けだけで暦を作ると、季節とずれてしまいます。
一方、太陽だけでは月の満ち欠けと一致しません。
そこで旧暦では、
月で日付を決め、太陽で季節を補正する
という仕組みが採られました。
月は新月で始まる
旧暦では、月の始まりは「新月」です。
新月とは、月が太陽と同じ方向にあり、地球から見えなくなる瞬間を指します。
この日を「朔(さく)」といい、旧暦ではこの日が毎月の1日になります。
そのため旧暦の月は、
- 29日(小の月)
- 30日(大の月)
で構成されます。
これは月の満ち欠けの周期(約29.5日)に基づいています。
季節は太陽の位置で決まる
月だけでは季節がずれてしまうため、旧暦では太陽の動きを基準に季節を決めます。
その基準となるのが、二十四節気です。
太陽は1年かけて天球上を移動し、その通り道を黄道といいます。
この黄道を15度ずつ区切ったものが二十四節気です。
さらに重要なのが「中気(ちゅうき)」と呼ばれる節目です。
旧暦では、
各月の中に必ず1つの中気を含める
という原則があります。
閏月でずれを調整する
月の周期(約29.5日)を12回繰り返すと、約354日になります。
これは太陽の1年(約365日)よりも短く、約11日の差が生じます。
このままでは季節がどんどんずれてしまうため、旧暦では調整が必要になります。
そこで用いられるのが「閏月(うるうづき)」です。
旧暦では、
中気を含まない月が生じた場合、その月を閏月とする
という方法で調整を行います。
月の名前は中気で決まる
旧暦では、月の名前(正月・二月など)は、中気によって決まります。
例えば、
- 雨水を含む月 → 正月
- 春分を含む月 → 二月
といったように、月の名称は太陽の位置と結びついています。
そのため、閏月が入ると
- 閏二月
- 閏五月
のように、同じ名前の月が2回現れることがあります。
旧暦の特徴
ここまでの仕組みを整理すると、旧暦には次の特徴があります。
- 月の満ち欠けと一致している
- 季節と対応している
- 調整(閏月)が必要である
つまり旧暦は、
自然に寄り添いながらも、完全には一致しない暦
といえます。
旧暦の限界と次の記事へ
旧暦は精巧な仕組みを持っていますが、すべてを厳密な規則だけで決めることはできません。
実際には、閏月の配置や月の並びにおいて、判断が必要になる場面がありました。
そのため歴史上、暦は何度も改訂され、人の手によって調整されてきました。
こうした課題は、現代にも引き継がれています。
その一つが「2033年問題」と呼ばれる現象です。
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