雁 ― 北から渡ってくる秋の鳥

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寒露の初候は「鴻雁来(こうがんきたる)」です。

雁が北から渡ってくるころをいいます。

ここでいう「鴻雁」は、
ガンと呼ばれる水鳥の総称です。

寒露のころになると、
北方から南へ向かう渡り鳥が日本や中国に現れ始めます。

その代表が雁です。


雁という鳥

雁はカモ科に属する大型の水鳥です。

湖や川、湿地などに集まり、
群れで行動します。


空を飛ぶときには、
整った列を作ることで知られています。

V字の隊列を作りながら飛ぶ姿は、
遠くからでもよく目立ちます。


この特徴的な飛び方は、
長距離を効率よく移動するためのものです。


渡り鳥としての雁

雁は、
寒い地域で繁殖する鳥です。

春から夏にかけては、
シベリアなどの北方で子育てを行います。


秋になると、
食べ物を求めて南へ移動します。


その途中で、
日本や中国の湿地や湖に立ち寄ります。


この移動が、
寒露のころに観察されるようになります。


「来る」という意味

鴻雁来は、
雁が突然現れるという意味ではありません。


北から南へ移動する途中で、
この地域に到着することを表しています。


空高く飛ぶ群れが見えたり、
湿地に集まる姿が観察されたりします。


そのため、
季節の変化を知らせる鳥として知られていました。


中国の気候との関係

七十二候が成立した中国北部では、
寒露のころから気温が大きく下がります。

北方では、
湖や湿地が次第に凍り始めます。


そのため、
雁は南へ移動を始めます。


この移動が、
暦の候として取り入れられました。


日本の風土との違い

日本は、
雁にとって越冬地のひとつです。


北海道や東北、
本州北部の湖沼には
多くの雁が渡ってきます。


寒露のころから姿が見え始め、
冬の間を過ごします。


つまり日本では、
雁は「来る鳥」として観察されます。


この点で、
中国の暦の表現ともよく一致します。


寒露三候の入口

寒露の三候は、

鴻雁来
菊花開
蟋蟀在戸

と続きます。


最初は渡り鳥。

次に花。

最後に虫。


空の変化から始まり、
地上の自然へと移ります。


鴻雁来は、
秋が深まり始めたことを示す候です。


空に現れる季節

季節の変化は、
空にも現れます。


北から鳥が渡ってくることは、
寒い季節が近づいている証です。


空を見上げると、
群れを作って飛ぶ鳥の姿が見える。


それが、
秋の深まりを知らせます。


鴻雁来は、
空から届く季節の知らせです。


要点整理

・鴻雁は雁のことです
・北方から南へ渡る鳥です
・寒露のころに渡来が見られます
・秋の深まりを示す候です


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