目次
第2部 その他編
第19章 庚申待とは何か
―― 庚申の夜に眠らない理由 ――
はじめに ― 庚申の夜
暦には、
特定の日に行われる
行事や習俗も存在します。
その代表的なものが
庚申待(こうしんまち)
です。
庚申待とは、
庚申の日の夜に眠らずに過ごす習俗
を指します。
この習慣は、
江戸時代の日本で広く行われ、
庚申信仰として
民間文化の中に定着しました。
1 庚申とは何か
庚申は、
六十干支の一つです。
干支は、
十干と十二支の組み合わせによって
六十種類の周期を作ります。
その中の
庚申(かのえさる)
の日は、
六十日に一度
巡ってきます。
この日が、
庚申待の基準となる日です。
2 三尸(さんし)の思想
庚申待の背景には、
中国の道教思想があります。
その中心にあるのが、
三尸(さんし)
という考え方です。
三尸とは、
人の体の中に住む
三つの虫のような存在と
考えられていました。
この三尸は、
人が眠ると
体を抜け出して
天に昇り、
その人の悪行を
天帝に報告すると
信じられていました。
3 なぜ眠らないのか
三尸が体を抜け出すのは、
庚申の夜
とされていました。
そのため、
庚申の夜には
眠らないことで、
三尸が外へ出るのを
防ごうとしました。
こうして生まれたのが
庚申待です。
人々は集まり、
夜通し
語り合ったり、
飲食をしたりして
眠らずに過ごしました。
4 庚申信仰と日本
庚申信仰は、
平安時代に中国から伝わり、
日本で広まりました。
特に江戸時代には、
庚申講と呼ばれる集まりが
各地で行われました。
また、
庚申塔と呼ばれる石塔が
道端に建てられることもありました。
これらは、
庚申信仰が
民間文化として
広く定着していたことを示しています。
5 庚申待の意味
庚申待は、
単なる迷信ではなく、
共同体の行事でもありました。
人々が夜に集まり、
語り合うことは、
地域の結びつきを
強める役割も果たしました。
つまり庚申待は、
暦と信仰、
そして
人々の生活文化が
結びついた習俗だったのです。
まとめ
庚申待とは、
六十干支の庚申の日の夜に
眠らずに過ごす習俗です。
その背景には、
三尸が天に昇り
人の悪行を報告するという
道教思想があります。
庚申待は、
暦と信仰、
そして地域の生活文化が
結びついて生まれた
日本の民俗行事の一つです。
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