目次
第2部 下段編
第6章 暦の下段とは何か
―― 吉凶日が生まれる場所 ――
はじめに ― 暦の下に書かれたもの
昔の暦を見ると、
日付の下の方に
さまざまな言葉が書かれていることがあります。
例えば
- 天赦日
- 凶会日
- 不成就日
- 往亡日
などです。
これらはすべて
暦注
と呼ばれるものです。
そしてこれらの多くは、
暦の
下段
に書かれていました。
そのため、
この種類の暦注は
暦の下段
と呼ばれることがあります。
1 暦の三つの層
伝統的な暦面は、
大きく三つの層に分かれていました。
上段
日付・干支
中段
十二直
下段
吉凶日
この構造は、
暦の役割をよく表しています。
上段
時間を示す
中段
時間の状態を示す
下段
行動の可否を示す
つまり下段は、
人間の行動判断
を示す場所でした。
2 下段の暦注とは何か
下段に書かれる暦注は、
中段の十二直とは少し性格が違います。
十二直は
月建と日の干支から決まる
体系的な暦注
でした。
しかし下段の暦注は、
必ずしも一つの理論から作られたものではありません。
そこには
- 陰陽五行思想
- 道教思想
- 民間信仰
- 占術
などが重なっています。
そのため下段の暦注は、
非常に種類が多く、
複雑な体系になっています。
3 なぜ吉凶日が生まれたのか
人は、
重要な決断をするとき、
不安を感じます。
例えば
- 結婚
- 建築
- 旅立ち
- 商売
などです。
古代の人々は、
こうした不安を
時間の秩序
の中に位置づけようとしました。
つまり、
ある日は良く、
ある日は避けるべき
と考えたのです。
これが
吉日と凶日
の思想です。
4 吉凶日が多い理由
暦の下段には、
多くの吉凶日が書かれます。
これは
矛盾しているようにも見えます。
ある日は
吉日でもあり、
凶日でもある
ということもあります。
これは、
暦注が
一つの理論ではなく、
複数の思想の重なり
だからです。
つまり下段は、
長い歴史の中で
さまざまな思想が積み重なった
場所なのです。
5 下段が示す暦の役割
暦は、
単なる日付の表ではありませんでした。
それは
時間と人間の行動を結びつける装置
でした。
その役割が最も強く表れるのが、
暦の下段です。
ここには
人間の願い
不安
祈り
が表れています。
まとめ
暦の下段には、
吉日や凶日が書かれていました。
それらは、
人間の行動判断のために作られた暦注です。
そしてそれは、
多くの思想が重なって生まれた
複雑な体系でした。
次章からは、
その代表的な暦注である
天赦日
を見ていきます。
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