目次
第2部 下段編
第7章 天赦日とは何か
―― 天がすべてを赦す日 ――
はじめに ― 最上の吉日
暦の吉日の中でも、特に強い意味を持つ日があります。
それが 天赦日(てんしゃにち) です。
天赦日とは、
天が万物の罪を赦す日
とされる日です。
そのため古くから、
暦の中で最上の吉日
とも言われてきました。
現代でも、
- 開業
- 結婚
- 契約
- 新しい挑戦
などに良い日として紹介されることがあります。
しかし天赦日は、
単なる「ラッキーデー」ではありません。
そこには、
古代の宇宙観と暦思想が反映されています。
1 天赦日という言葉
天赦日という名前は、
三つの言葉から成り立っています。
天
宇宙・天の秩序
赦
赦す(罪を許す)
日
その日
つまり天赦日とは、
天がすべてを赦す日
という意味になります。
古代中国では、
天は宇宙秩序の中心と考えられていました。
その天が赦す日ということは、
この日は
あらゆる凶を打ち消す
と考えられたのです。
2 天赦日はどのくらいあるのか
天赦日は、
毎月あるわけではありません。
一年に 数回しか現れない日 です。
そのため、
非常に貴重な吉日とされてきました。
天赦日は、
季節ごとに決められています。
つまり、
春・夏・秋・冬のそれぞれに
決まった干支の日が
天赦日になります。
このように天赦日は、
干支と季節の関係
によって決められています。
3 天赦日が生まれた背景
天赦日の思想の背景には、
中国の道教思想があります。
道教では、
宇宙には
罪や穢れを清める日
があると考えられていました。
その一つが、
天赦日です。
この日は、
天が人間の過ちを赦す日とされ、
新しいことを始めるのに良いとされました。
つまり天赦日は、
人間の過去を清める時間
でもあったのです。
4 なぜ天赦日は特別なのか
暦には、
多くの吉日があります。
しかし天赦日は、
その中でも特別です。
理由は、
他の凶日と重なっても吉とされる
ことがあるからです。
例えば、
通常なら避けるべき日でも、
天赦日であれば
問題ないとされることがあります。
つまり天赦日は、
凶を打ち消す力を持つ吉日
と考えられたのです。
5 日本の暦と天赦日
天赦日は、
中国の思想から生まれましたが、
日本の暦にも取り入れられました。
江戸時代の暦では、
天赦日は重要な吉日として書かれていました。
商人や武士なども、
重要な決断をする際に
この日を意識したと言われています。
つまり天赦日は、
暦の下段に書かれた最上の吉日
として広く知られていました。
6 現代の天赦日
現代では、
暦の多くの暦注は使われなくなりました。
しかし天赦日は、
今でも注目されることがあります。
特に
- 開業
- 財布の購入
- 新しい挑戦
などで話題になることがあります。
これは、
古い暦思想が
現代の生活文化にも残っている例と言えるでしょう。
まとめ
天赦日とは、
天が万物の罪を赦す日
とされる吉日です。
一年に数回しか現れないため、
古くから
最上の吉日
と考えられてきました。
天赦日は、
宇宙の秩序と人間の行動を結びつける
暦注の代表的な例です。
次章では、
天赦日とは対照的な意味を持つ
凶会日
を見ていきます。
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ひとつ後
