【令和7年版アーカイブ】
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【夏至・次候】菖蒲華(あやめ はなさく)
目次
【令和7年版アーカイブ】【夏至・次候】 菖蒲華(あやめはなさく) 6月26日頃
【夏至】(げし) 月: 五月中 太陽黄経: 90°
昼の長さが最も長くなる

次候 菖蒲華
(あやめはなさく)
あやめの花が咲く
「あやめ咲くころ」という名の季節
七十二候では、夏至の次候を「菖蒲華(あやめ はなさく)」といいます。
その名のとおり、「あやめの花が咲くころ」。でも、現代の暦でいうと、あやめ(アヤメ)はもう終わりかけ。実際には、花菖蒲(ハナショウブ)や杜若(カキツバタ)の方がよく見られる時期です。
菖蒲・アヤメ・ショウブの違い
この候でいう「菖蒲」は、分類上のアヤメではなく、湿地に咲くハナショウブを指しているとされます。古くは「アヤメグサ」という呼び名があり、それがアヤメ、ハナショウブ、カキツバタなどの似た花々をひとまとめにしていた時代がありました。
ちなみに、「菖蒲湯」のショウブ(サトイモ科)とは全く別物。見た目は似ていても、まったく異なる植物です。ちょっと紛らわしいですね。
梅雨の折り返し、緑の深まり
この「菖蒲華」のころ、日本は梅雨の折り返しに入ります。
紫陽花やハナショウブが雨に濡れて美しい時期。緑は濃くなり、田んぼでは稲の苗がすっかり根付き、夏本番へと向かっていきます。
気温も湿度も上がりはじめるこの頃。じっとしていても汗ばむ日もあれば、朝晩は意外とひんやりする日もあり、衣類選びが難しい時期でもあります。梅雨寒の年は、なおさら体調管理に気をつけたいところです。
このところ関東地方は、暑い日が続き、梅雨はどこへ?といった感がありますが、思い出したような梅雨空も少し戻るようですね。
果物も夏らしく、旬が加速
一方、果物はどんどん夏の色を帯びてきます。
さくらんぼは出荷のピーク、南国からはマンゴーやパッションフルーツが届き、メロンやスイカも地域によっては出回りはじめます。雨が多い時期でも、美味しい楽しみが詰まった季節です。


空と月の表情を楽しむ
空を見上げれば、晴れた日には陽射しがまぶしく、夏の気配を感じさせます。
一方で、夜は意外と短く、月は地平線近くに低く現れる季節。月齢を意識して眺めると、昼と夜のバランス、陰と陽のめぐりが改めて感じられます。
25日が新月なんです。
| 名称 | 日 | 時:分 |
|---|---|---|
| 上弦 | 3 | 12:41 |
| 望(満月) | 11 | 16:44 |
| 下弦 | 19 | 4:19 |
| 朔(新月) | 25 | 19:32 |
静かな花の美しさとともに
「菖蒲華」という響きには、日本人の季節感が凝縮されているような趣があります。
咲き誇るわけでもなく、静かに、しとやかに開くハナショウブの姿に、自然の奥ゆかしさを感じながら、この時期ならではの過ごし方を見つけてみるのも良いかもしれません。

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暦要項に基づく二十四節気〈夏至〉次候「菖蒲華」梅雨に咲く花菖蒲の頃
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暦要項に基づく二十四節気〈夏至〉の次候「菖蒲華(あやめはなさく)」は、6月26日頃から30日頃にあたり、あやめの花が咲く季節を指します。実際には花菖蒲や杜若が雨に濡れて見頃を迎える時期で、梅雨の折り返しにあたり、緑が深まり田んぼの苗も根づきます。果物はさくらんぼが盛りを迎え、南国からはマンゴーやパッションフルーツも届き始め、梅雨空の中でも夏の彩りを感じられる季節です。