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【小満・末候】麦秋至(むぎのときいたる)...麦が熟し...
【令和7年版】【小満・末候】麦秋至(むぎのときいたる)…5月31日頃~
【小満】 (しょうまん) 月: 四月中 太陽黄経: 60°
すべてのものがしだいにのびて天地に満ち始める

末候
麦秋至 (むぎときにいたる)
麦が熟し麦秋となる
小満の末候は「麦秋至(むぎときにいたる)」。
「秋」という字がついていますが、実際は初夏のころ、麦がちょうど実りを迎える時期のことをいいます。
各地から「麦秋」のニュースが届いていますね。佐賀平野とか、福井平野、岡山の干拓地など、それぞれの麦秋風景が映し出されていますよね。
金色の麦の穂が風に揺れ、さらさらと穂先が触れあう乾いた音が風に揺られて波のように続きます。麦の畑の向こうには、夏野菜を植えたばかりの畑や、青田が少しずつ増えていく田んぼ。
季節が満ちていく景色が、ゆっくりと広がっていくのを感じます。
このころはちょうど、梅雨入り前の貴重な晴れ間が続く時期。
庭先やベランダでも、ミニトマトやピーマンの苗がぐんぐんと背を伸ばし、勢いを増しているんでしょうね。近所のホームセンターでも、野菜の苗がずいぶん並んでいました。
皆さんのお宅ではいかがですか? プランターとか、あるいは庭の一角にでも、夏野菜の苗、植えましたか? 市民農園とか借りてしっかり作っている方もいるでしょうね。麦畑はなくとも、土のにおいと太陽の光を感じるだけで、命が満ちていく季節の気配をしっかり感じます。
🛒 旬の食材と日々のごちそう
この時期の旬といえば、新じゃがいもやそら豆、さやいんげんなど。
瑞々しくて、少し甘い旬の野菜を、シンプルに蒸したり塩ゆでにするだけで、ごちそうになりますね。
そして、旬の麦の実りは、麦茶やビールのかたちでも私たちの暮らしを潤してくれます。
暑い日差しのあとに飲む麦茶の香ばしさや、ビールの泡のきらめきに、まさに「麦秋」の恵みを感じます。
2025年のこの時期は、気温が25℃を超える日が増え、日差しの強さも本格的。
外仕事や散歩の合間には、こまめに水分補給して、麦茶や季節の恵みを味わいたいですね。
庭先や道ばたの草花も、花や葉の色を少しずつ濃くしていくようです。
自然が「満ちていく」音を、耳を澄ませて探すのも楽しい時間です。
🌿 季節のひとこと
「麦秋」という言葉には、実りとともに少し切なさも感じます。
もうすぐ梅雨が来て、空の色が変わっていく前の、ほんの短いきらめきの季節。
金色の麦の穂が揺れる景色を思い浮かべながら、今日一日を静かに味わいたいですね。


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暦要項に基づく二十四節気〈小満〉次候「紅花栄」夏を彩る紅の花々
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暦要項に基づく二十四節気〈小満〉次候「紅花栄(べにばなさかう)」は5月26日頃。紅花が盛んに咲き誇り、夏の色彩が鮮やかに広がる季節です。紅花は古くから染料や薬用として重宝され、赤や橙の花が風景に力強さを与えてきました。2025年のこの時期は全国的に晴天が多く、25℃前後の夏日も増加。強い日差しに映える紅花や庭の花々が、生命力に満ちた初夏の息吹を感じさせます