暦のことば
白露は、草木に宿る露が白く光り始める頃を表します。初侯「草露白(くさのつゆしろし)」は、その名の通り夜明けの草葉にきらめく露を指し、秋の深まりを感じさせる情景です。日中はまだ暑さが残っていても、朝夕にはひんやりとした空気が漂い、夏から秋への境目を教えてくれます。
【白露】(はくろ) 月: 八月節 太陽黄経:165°
しらつゆが草に宿る

初候 草露白
(くさのつゆしろし)
草に降りた露が白く光る
季節の風景
夜明けに草むらを歩くと、細やかな露が白く光り、まるで小さな真珠をちりばめたかのよう。
虫の声も一段と響きを増し、夜が長くなることを実感します。
田畑では稲の穂が頭を垂れ始め、農村の景色も収穫へ向けて色づいていきます。
暮らしのヒント
・朝晩の冷え込みが増すため、そろそろ寝具や衣類の調整を意識する時期です。
・農作物の実りが進み、果物や野菜が豊かに出回ります。食卓に季節の恵みを取り入れる楽しみが増えてきます。
・朝露に濡れる草花は美しい一方で、体を冷やす原因にも。外出の際は羽織るものを用意しておくと安心です。
2025年の気象傾向
気象庁の3か月予報によると、2025年の9月前半は例年に比べて気温がやや高めに推移する見込みです。
暦の上では露の白さが秋の訪れを告げる頃ですが、今年は残暑が長引きやすく、昼間は夏日になる日も少なくないと予想されています。
朝晩と日中の気温差が大きくなるため、体調管理に注意が必要です。
ひとこと
白露の頃は、暦に沿って秋の深まりを感じられる美しい季節。
しかし、今年は気象のずれによって残暑が尾を引く可能性があります。
だからこそ、草露の輝きや虫の声といった小さな変化に心を寄せ、秋の訪れを丁寧に味わいたい時期です。
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