国家暦と民間暦―― 二つの暦の世界 ――

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第3部 六曜と近代

第5章 国家暦と民間暦

―― 二つの暦の世界 ――


はじめに

明治改暦によって、

日本の暦は
大きく変わりました。

それまで使われていた
太陰太陽暦は廃止され、

現在の
太陽暦(グレゴリオ暦)が
採用されました。

しかしこの改革は、

単に暦法を変えただけではありません。

暦の意味そのものも
変える出来事でした。

明治以降、

日本の暦は

国家の暦
民間の暦

という

二つの側面を持つようになります。


国家の暦

近代国家にとって、

暦は重要な制度です。

行政
法律
教育
経済

など、

社会のさまざまな活動は
暦によって時間を共有します。

そのため政府は、

統一された暦を
整備する必要がありました。

現在の日本では、

国立天文台が作成する

暦要項

国家の暦の基準となっています。

暦要項には、

次のような情報が掲載されます。

  • 二十四節気
  • 春分・秋分
  • 月食・日食
  • 祝日関連の基準

などです。

これらは

天文計算に基づく暦

であり、

科学的な時間制度を
示すものです。


民間の暦

一方で、

人々の生活の中では

別の暦文化が
存在していました。

結婚
葬儀
引越し
建築

など、

日取りを選ぶ場面では

吉凶を示す暦注が
使われ続けました。

こうした暦は、

カレンダー会社や暦業者が作る

民間暦

として広まりました。


六曜の位置

民間暦の中で、

最も広く普及した暦注が

六曜

です。

六曜は

大安
仏滅
友引
先勝
先負
赤口

という六つの周期で

日ごとの吉凶を
示します。

六曜は、

国家の暦には
含まれていません。

しかし民間の暦では、

ほとんどのカレンダーに
掲載されています。


暦の二層構造

こうして日本の暦は、

二つの層を持つようになります。

国家の暦

天文計算に基づく
公的な時間制度

民間の暦

生活文化としての
吉凶判断

この二層構造は、

現在の日本でも
続いています。

例えば、

公式の暦制度では

六曜は存在しません。

しかし、

市販のカレンダーの多くには
六曜が掲載されています。


暦と社会

この状況は、

暦が単なる時間制度ではなく、

文化でもあることを
示しています。

国家の暦は、

社会制度を支える
合理的な時間体系です。

一方で民間の暦は、

人々の生活感覚や
慣習を反映しています。

日本の暦文化は、

この二つの要素が
重なり合うことで

現在の形になりました。


まとめ

明治改暦によって、

日本の暦は

国家制度としての暦と
生活文化としての暦

という

二つの側面を持つようになりました。

国家の暦は、

天文計算に基づく
合理的な時間制度です。

一方で民間の暦では、

六曜などの暦注が
生活文化として残りました。

この二層構造は、

現代のカレンダーにも
見ることができます。


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