目次
第2部 その他編
第14章 八専とは何か
―― 干支が偏る十二日間 ――
はじめに ― 干支が続く期間
暦には、
特定の日だけではなく、
一定期間にわたる暦注
も存在します。
その一つが
八専(はっせん)
です。
八専とは、
干支の特定の並びによって生まれる十二日間
の期間を指します。
この期間は、
吉凶の判断において
特別な意味を持つとされてきました。
1 八専という言葉
八専は、
次の二つの意味から成り立っています。
八
数の八
専
偏る・専ら
つまり八専とは、
干支の性質が偏る期間
という意味になります。
これは、
干支の組み合わせが
特定の状態に集中することから
名付けられました。
2 八専の期間
八専は、
六十干支の流れの中で
次の干支から始まります。
壬子(みずのえね)
そして
癸亥(みずのとい)
までの
十二日間
が八専です。
この期間の干支は次の通りです。
壬子
癸丑
甲寅
乙卯
丙辰
丁巳
戊午
己未
庚申
辛酉
壬戌
癸亥
この十二日間のうち、
特に
八つの日が
八専と呼ばれる中心の日になります。
3 八専の思想
八専の背景には、
干支の陰陽五行思想
があります。
干支は、
十干と十二支の組み合わせで
作られています。
その中で、
八専の期間は
特定の五行が
偏りやすい並びになります。
古代の暦思想では、
宇宙のバランスが崩れると
不調和が生じると考えられました。
八専は、
このような
偏りの時間
と理解されたのです。
4 八専の吉凶
八専は、
一般には
凶の期間
とされることが多く、
特に
- 婚礼
- 建築
- 契約
などを避けるべきとされることがあります。
ただし、
すべての日が凶とされたわけではなく、
暦によっては
特定の日を
間日(まび)
として
吉日扱いする場合もあります。
このように八専は、
一つの期間の中で
吉凶が分かれる暦注でもあります。
5 八専と日本の暦
八専は、
中国の暦思想に由来しますが、
日本の暦でも
古くから知られていました。
江戸時代の暦では、
八専は
注意すべき期間として
記されることがありました。
しかし、
六曜のように広く知られるものではなく、
暦を詳しく読む人々の間で
意識される暦注でした。
6 八専が示す時間観
八専が示しているのは、
時間の中に
偏り
が生まれるという考え方です。
古代の人々は、
宇宙の運行が
完全に均一ではなく、
ある時には
特定の性質が
強く現れると考えました。
八専は、
そのような
時間の偏りを示す暦注なのです。
まとめ
八専とは、
六十干支の並びの中で生まれる
十二日間の特別な期間です。
干支の性質が偏る時間とされ、
吉凶の判断に用いられてきました。
暦には、
単独の日だけでなく、
このように
一定期間を示す暦注も存在します。
八専は、
干支思想と時間観を結びつける
特徴的な暦注の一つなのです。
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