目次
第2部 下段編
第11章 生年凶日とは何か
―― 人によって異なる凶日 ――
はじめに ― 個人に関わる暦注
暦の下段には、
多くの吉日や凶日が記されています。
しかしそれらの多くは、
すべての人に共通する日です。
それに対して、
人によって異なる凶日
もあります。
それが
生年凶日(しょうねんきょうにち)
です。
生年凶日とは、
生まれた年の干支によって定まる凶日
です。
つまり、
同じ日であっても
人によって吉凶が異なる
という暦注です。
1 生年凶日という言葉
生年凶日は、
次の三つの意味から成り立っています。
生年
生まれた年
凶
不吉
日
その日
つまり生年凶日とは、
生まれ年にとって凶となる日
という意味です。
これは、
その人の干支と
その日の干支の関係から
判断されました。
2 干支と個人の運命
生年凶日の背景には、
干支思想
があります。
干支は、
単なる年の表示ではなく、
人の性質や運命とも
結びつけて考えられました。
例えば、
生まれ年の干支は
その人の
- 気質
- 運勢
- 相性
などと関係すると考えられました。
そのため、
日々の干支との関係によって
吉凶が判断されるようになりました。
これが生年凶日の考え方です。
3 干支の衝突
生年凶日の多くは、
干支の
衝(ちゅう)
の関係から生まれます。
衝とは、
互いに対立する干支の関係です。
例えば、
子と午
丑と未
寅と申
などがあります。
こうした関係の日は、
その干支の人にとって
凶となると考えられました。
つまり、
干支の衝突が
凶日を生むとされたのです。
4 日本の暦と生年凶日
生年凶日は、
中国の干支思想に基づく暦注ですが、
日本の暦でも知られていました。
江戸時代の暦では、
生まれ年の干支を基準に、
注意すべき日を
読み取ることがありました。
ただし、
すべての暦に詳しく記されていたわけではなく、
暦を読む知識を持つ人々の間で
利用されることが多かったようです。
5 生年凶日が示す思想
生年凶日が示しているのは、
時間と個人の関係
という考え方です。
暦の多くの暦注は、
すべての人に共通する時間評価です。
しかし生年凶日は、
人によって
時間の意味が変わる
という思想を示しています。
これは、
干支が
個人の運命と結びつく
という考え方から生まれました。
まとめ
生年凶日とは、
生まれ年の干支によって定まる凶日です。
干支同士の関係、
特に衝の関係から
吉凶が判断されました。
暦には、
すべての人に共通する吉凶だけでなく、
このように
個人に関わる暦注も存在します。
それは、
時間と人間の関係を
深く結びつけようとする
暦思想の表れでもあります。
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