【処暑・初候】 綿柎開(わたのはなしべひらく)8月23日頃~

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処暑・初候 綿柎開…綿の実を包む萼(がく)が開きはじめ…

 七十二候で処暑の初候は、「綿柎開(わたのはなしべひらく)」。
綿の実を包む萼(がく)が開きはじめ、中から白い綿毛が顔をのぞかせる時期を指します。
2025年では、8月23日(土)~27日(水)ごろにあたります。


【処暑】(しょしょ)            月: 七月中     太陽黄経:150°

  暑さがおさまるころ              

初候 綿柎開

(わたのはなしべひらく)

綿を包む萼(がく)が開く

綿と日本の暮らし

 綿は古くから衣料や寝具の素材として重宝されてきました。
この時期、田畑では稲穂が色づき、果樹園では梨やぶどうが甘みを増し、綿畑ではふんわりとした白い綿が秋風に揺れる――そんな情景が広がります。

 綿は黄色や白の花を咲かせたあと、緑色の実をつけます。夏の終わりにその実がはじけ、ふんわりとした綿毛が現れます。


 江戸時代から日本各地で衣料や寝具の原料として重宝され、秋の訪れを告げる植物の一つとされてきました。

この時期の気象

 この時期は、残暑の勢いが衰えず、日中は厳しい暑さが続く一方で、朝晩は湿度が下がり始める日も増加してきます。

綿の実が開くには適した晴天と昼夜の温度差が生まれやすく、農作物の生育もおおむね順調南敷なのですが、台風接近時は果樹や綿作の倒伏被害の恐れもあり、注意が必要です。

動植物と自然の変化

  • 綿の実が弾け始める
  • 赤とんぼの群れが川沿いに
  • 夜の虫の合唱が本格化(コオロギ・カネタタキ)
  • 夕暮れの空が高くなり、茜色のグラデーションが長く続く

夏休みラストスパートの行事

 処暑・初候は、ちょうど夏休みの終盤。各地で「夏祭りの締めくくり」となる行事が目白押しです。

  • 北日本の花火大会:夏の夜空を彩る最後の大規模イベント
  • 盆踊りのラストシーズン:地域によっては8月末まで開催
  • 高校野球(甲子園)決勝戦:今年は、8月23日が決勝戦予定日。例年8月下旬、夏の終わりを象徴するスポーツイベント

果物と食の旬

  • ぶどう(巨峰・シャインマスカット):甘みがピークへ
  • 梨(幸水・豊水):瑞々しく冷やして食べたい
  • 桃(晩生種):立秋期から続く最後の出荷
  • イチジク:熟度の高い果実が揃う

ふるさと納税では、梨やぶどうの詰め合わせや、冷蔵便で届く完熟フルーツが人気です。


ひとこと

「綿柎開」は、衣と食の季節が切り替わる合図。
夏の終わりを惜しみながら、秋の恵みを迎える準備を整える時期でもあります。

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