【立秋・末候】 蒙霧升降(ふかき きり まとう)8月17日頃~

蒙霧升降(ふかき きり まとう)朝の空気が変わる頃、霧がたちこめる季節へ

七十二候で立秋の末候は、「蒙霧升降(ふかき きり まとう)」。
意味は、「深い霧が立ちこめ、昇ったり降りたりする頃」。
2025年では、8月17日(土)~21日(水)ごろにあたります。

日中はまだ暑さが残る時期ですが、朝夕の空気が変わり始めるタイミング。
高原や水辺の地域では、夜明けに霧がたちこめ、やわらかな白に包まれる風景も見られるようになります。

【立秋】(りっしゅう)         月: 七月節  太陽黄経:135°

  暑さも峠を越え、秋の気配が感じられる              

末候 蒙霧升降

(ふかき きり まとう)

深い霧が立ち込める


蒙霧(もうむ)=すべてを包む「秋の予感」

「蒙(もう)」は“おおう・つつむ”という意味。
つまり、「蒙霧」は、すべてを包み込むような深い霧を表します。

朝露とともに立ち上がる霧は、夏の強い陽射しとは対照的な、静けさと湿り気をもたらし、どこか“秋のはじまり”を感じさせてくれます。

山間や川沿いでは、濃霧が発生しやすい時期でもあり、昼夜の気温差が生まれることで秋が近づいてきたことを実感できます。


空の高さと、虫の声の重なり

このころの空は、ぐっと高くなったように感じられます。
雲が薄く、風が軽く、夜の空気が涼しくなる――そうした小さな変化が、「夏の終わり」と「秋の足音」を一緒に運んできます。

蝉の声は減り、代わりにコオロギ、スズムシ、カネタタキなどの虫たちの鳴き声が夜に響きます。
朝も、霧とともに鳥の声や虫の音が柔らかく聞こえてくることもあります。


お盆明けと、暮らしの一区切り

「蒙霧升降」の時期は、お盆の余韻が残るころ。
地域によっては灯篭流しや送り火が行われ、静かに夏を見送る行事が続きます。

暑中見舞いから「残暑見舞い」へ、季節の挨拶も切り替わり、学校では夏休みの後半戦へ。
日々の暮らしの中にも、「そろそろ秋に向かっていこう」という気配が感じられるようになります。


🍐 旬の果物と食材も“秋寄り”に

このころから、果物の旬もぐっと「初秋」へシフトしていきます。

🍇 代表的な果物(地域差あり)

  • 桃(晩生種):川中島・白鳳・黄金桃など
  • ぶどう:巨峰・ピオーネ・シャインマスカットが主役に
  • 梨(幸水):全国で出荷が本格化
  • イチジク・ブルーベリー:地域によっては最盛期

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また、冷たいゼリーや冷凍便の果物ギフトなど、“涼+秋の香り”を両立した贈り物も注目されています。


ひとこと

「蒙霧升降」は、夏から秋への静かな橋渡し。
派手な変化はなくても、霧や風や虫の声――そのひとつひとつが、季節の移ろいを確かに伝えてくれます。

目をこらせば、感じることができる。そんな静かな季節の入り口を、今年はゆっくり味わってみませんか?

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