目次
はじめに
二十四節気は、太陽が黄道を一周する動きを二十四に区切り、季節の移り変わりを知るために生まれた暦です。
立春、春分、夏至、秋分などは、その代表的な例です。
それでは、月の動きはどのように暦へ取り入れられたのでしょうか。
実は、太陽の一年の巡りが二十四節気になったのと同じように、月が夜空を巡る動きは二十八宿(にじゅうはっしゅく)として整理されました。
二十四節気が太陽の位置を表す暦であるのに対し、二十八宿は月の位置を知るための星の目印でした。
現在では吉凶を判断する暦注として知られる二十八宿ですが、その始まりは月の運行を観測するための天文学的な仕組みにあります。
二十八宿はなぜ毎日変わるのでしょうか。その理由を、月の動きと暦の歴史から見ていきましょう。
月は毎日少しずつ移動している
夜空を見上げると、月は毎日ほぼ同じ場所にあるように見えます。
しかし実際には、月は背景となる星々に対して少しずつ東へ移動しています。
月は約27.3日で天球を一周します。
昔の人々は、この月の動きを観察しながら季節や時刻を知り、農作業や日常生活の目安として利用していました。
しかし、月が今どの位置にあるのかを知るためには、夜空に目印が必要でした。
そこで生まれたのが二十八宿です。
月の通り道を二十八に区切った
古代中国では、月が通る道筋の周辺にある代表的な星々を基準として、天球を二十八の区画に分けました。
これが二十八宿です。
宿の並びは次のように続きます。
角宿 → 亢宿 → 氐宿 → 房宿 → 心宿 → 尾宿 → 箕宿
その後も二十八の宿が順に並び、一巡します。
月がどの宿の付近にあるかによって、現在の月の位置を知ることができました。
つまり二十八宿は、月の運行を観測するための「星の座標」として生まれたのです。
二十四節気との違い
二十四節気も二十八宿も、天体の動きを利用した暦ですが、基準とする天体が異なります。
二十四節気
・太陽の位置を表す
・季節の移り変わりを知るための暦
二十八宿
・月の位置を表す
・月の運行を知るための暦
二十四節気が一年を二十四に区切った太陽の暦であるのに対し、二十八宿は月の通り道を二十八に区切った月の暦といえます。
四神と二十八宿
二十八宿はさらに七宿ずつ四つに分けられています。
東方青龍七宿
角・亢・氐・房・心・尾・箕
北方玄武七宿
斗・牛・女・虚・危・室・壁
西方白虎七宿
奎・婁・胃・昴・畢・觜・参
南方朱雀七宿
井・鬼・柳・星・張・翼・軫
古代中国では、これらを四神として表し、天を守護する存在と考えました。
現在でも暦や占術の解説で青龍・白虎・朱雀・玄武の名前が見られるのは、この考え方が受け継がれているためです。
天文学から暦注へ
二十八宿は、もともと天文学的な観測のために利用されていました。
しかし時代が下るにつれて、人々の生活と結び付きます。
宿ごとに、
・婚礼に向く
・建築に向く
・旅行に向く
・避けた方がよい
などの意味が与えられ、吉凶判断に利用されるようになりました。
こうして二十八宿は、暦注の一つとして暦の中へ取り入れられていきました。
現在の暦にも残る二十八宿
現代の日本では、二十四節気や雑節は国立天文台の暦計算によって定められています。
一方、二十八宿は主に民間暦や日めくり暦の中に残り、日々の吉凶や行動の目安として利用されています。
天文学から始まった仕組みが、長い歴史の中で人々の暮らしと結び付き、現在まで受け継がれてきたのです。
おわりに
二十八宿は、単なる吉凶判断のための占いではありません。
その始まりは、夜空を巡る月の位置を知るための星の目印でした。
太陽の一年を二十四に区切ったものが二十四節気であり、月の通り道を二十八に区切ったものが二十八宿です。
どちらも天体の運行を暮らしに生かそうとした、先人たちの知恵の結晶といえるでしょう。
次回からは、東方青龍七宿・北方玄武七宿・西方白虎七宿・南方朱雀七宿、そして二十八宿それぞれの意味や特徴を詳しく見ていきます。
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二十八宿の仕組みを知る
暦注との関係
