目次
第3部 六曜と近代
第2章 六曜はなぜ簡略だったか
―― 六日周期の暦注 ――
はじめに
六曜は、
大安
仏滅
友引
先勝
先負
赤口
という六つの名称からなる暦注です。
この六つが、
六日ごとに
規則的に繰り返されます。
この仕組みは、
これまで見てきた暦注――
十二直
二十八宿
天赦日
などと比べると、
非常に単純
です。
なぜ六曜は、
これほど簡略な暦注だったのでしょうか。
複雑だった伝統的暦注
古い暦注の多くは、
天体の周期と結びついていました。
例えば、
十二直は
節月と十二支を基準に
日ごとの性質を定めます。
二十八宿は、
月の運行に基づく
星宿の周期です。
また、
天赦日や往亡日などの吉凶日は、
干支や陰陽五行の組み合わせから
決められていました。
こうした暦注は、
宇宙の秩序を
人間の生活に写したものです。
しかしその反面、
非常に複雑
でした。
六曜の単純な仕組み
これに対して六曜は、
きわめて単純です。
六曜は、
六日周期で
繰り返されるだけです。
先勝
↓
友引
↓
先負
↓
仏滅
↓
大安
↓
赤口
この六つが
順番に回るだけです。
そのため六曜は、
特別な計算をしなくても
容易に理解することができました。
覚えやすい暦注
六曜の単純さは、
覚えやすさにもつながります。
例えば、
「今日は大安だから結婚式」
というように、
誰でも
簡単に判断できます。
十二直や二十八宿のように
複雑な仕組みを
理解する必要はありません。
六曜は、
誰でも使える暦注
だったのです。
庶民の暦
江戸時代になると、
暦は庶民の生活の中にも
広く浸透していきました。
農作業や行事、
商売や婚礼など、
日取りを選ぶ場面は
数多くあります。
そのとき、
複雑な暦注よりも
簡単に使える暦注の方が
便利でした。
六曜は、
そうした
庶民の暦
として広まっていきました。
六曜の強み
六曜の最大の特徴は、
次の三つにまとめることができます。
単純
六日周期で理解しやすい
覚えやすい
名称と吉凶が分かりやすい
使いやすい
日取りの判断が容易
こうした特徴が、
六曜を
広く普及させる要因となりました。
次章
次章では、
さらに一歩進んで、
なぜ六曜だけが現代まで残ったのか
を考えていきます。
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ひとつ後
