目次
第2部 中段編
第3章 建・除・満…十二直の意味
―― 日々の状態を表す十二の言葉 ――
はじめに ― 十二直は何を示しているのか
前章では、十二直が
月建を基準として
日の干支に配当される暦注
であることを見ました。
つまり十二直は、
単なる12日周期ではなく、
月と日の関係によって決まる時間の状態
を表しています。
十二直は次の十二種類です。
建
除
満
平
定
執
破
危
成
納
開
閉
これらは、
時間の流れの中で
物事がどのように進むか
を示す言葉でもあります。
つまり十二直は、
物事の進行段階
を表しているのです。
1 建(けん)
意味
始まり
立ち上がり
建は、
物事が始まる日
とされています。
名前の通り、
「建てる」
という意味を持ちます。
そのため、
- 新しい事業
- 建築
- 開始
などに良いとされました。
ただし、
争いごとや訴訟などは
避けるべきとも言われます。
2 除(じょ)
意味
取り除く
清める
除は、
古いものを除く日
です。
掃除や整理、
不要なものを処分することに適しています。
そのため
- 清掃
- 厄除け
- 不要物の処分
などが良いとされました。
3 満(まん)
意味
満ちる
充実
満は、
物事が満ちる日
です。
収穫や祝い事など、
満足を意味する行事に向いているとされました。
例えば
- 宴会
- 契約
- 喜び事
などです。
ただし
- 新しいことの開始
には慎重とも言われます。
4 平(たいら)
意味
平穏
安定
平は、
穏やかな日
とされます。
大きな吉凶はなく、
日常の行事に向く日とされました。
つまり
平常運転の日
と言えるでしょう。
5 定(さだん)
意味
定まる
安定する
定は、
物事が安定する日
です。
そのため
- 契約
- 結婚
- 建築
など、
長く続くことに向くとされました。
6 執(とる)
意味
固執
保持
執は、
物事を守る日
とされます。
何かを維持する、
続ける行動に向いています。
ただし、
新しいことの開始には
あまり向かないとも言われます。
7 破(やぶる)
意味
破壊
崩壊
破は、
物事が壊れる日
とされます。
そのため
- 建築
- 契約
- 結婚
などには不向きとされました。
しかし
- 古いものを壊す
- 改革
などには良いとも言われます。
8 危(あやぶ)
意味
危険
不安定
危は、
危うい日
です。
大きな決断や
重要な行動は
避けるべきとされました。
名前の通り、
注意が必要な日です。
9 成(なる)
意味
完成
成功
成は、
物事が成就する日
です。
非常に良い日とされ、
- 結婚
- 開業
- 契約
など多くの行事に向くとされました。
10 納(おさん)
意味
納める
受け入れる
納は、
物事を受け入れる日
です。
例えば
- 商品の購入
- 財産の取得
などに向いているとされました。
11 開(ひらく)
意味
開く
始める
開は、
新しいことを始める日
です。
特に
- 開店
- 開業
- 新規事業
などに良いとされました。
12 閉(とづ)
意味
閉じる
終わる
閉は、
物事を終える日
です。
そのため、
新しいことを始めるには
向かないとされました。
一方で、
整理や終了には
適している日とされます。
3 十二直が示す時間の流れ
十二直を並べてみると、
ある流れが見えてきます。
建
↓
除
↓
満
↓
平
↓
定
↓
執
↓
破
↓
危
↓
成
↓
納
↓
開
↓
閉
これは
物事の始まりから終わりまで
を表す一つの循環とも考えられます。
つまり十二直は、
時間の状態変化
を表す思想でもあったのです。
まとめ
十二直は、
日の状態を示す十二種類の暦注です。
それぞれは、
物事の進行段階を表し、
人間の行動判断に使われました。
つまり十二直とは、
時間の状態を言葉で表したもの
と言えるでしょう。
次章では、
十二直の背後にある
天文思想
を見ていきます。
それが
北斗七星と暦思想
です。
ひとつ前

ひとつ後
