目次
第2部 中段編
第2章 月建と十二直の関係
―― 月が決める日の秩序 ――
はじめに ― 十二直はどこから始まるのか
前章では、十二直とは
日々の状態を十二の段階で示す暦注
であることを見ました。
しかしここで一つ疑問が生まれます。
十二直は
- 建
- 除
- 満
- 平
- 定
- 執
- 破
- 危
- 成
- 納
- 開
- 閉
の順に巡りますが、
どの日から始まるのでしょうか。
もし単純に
12日周期で巡るだけなら、
どこかで「建」が始まればよいはずです。
しかし実際にはそうではありません。
十二直は、
月によって始まりの日が決まる
仕組みになっています。
その基準になるのが
月建(げっけん)
です。
1 月建とは何か(おさらい)
月建とは、
月に割り当てられた十二支
です。
例えば節月では、
- 寅月
- 卯月
- 辰月
- 巳月
- 午月
- 未月
- 申月
- 酉月
- 戌月
- 亥月
- 子月
- 丑月
というように、
月は十二支で表されます。
これは、
北斗七星の斗柄の向きや
節気の進行によって決められる
月の位置づけ
でした。
十二直は、
この月建を基準にして決まります。
2 十二直の起点
十二直の配当には
基本となるルールがあります。
それは
月建と同じ十二支の日を
「建」とする
というものです。
例えば、
寅月の場合
寅の日が
建
になります。
そこから順番に、
除
満
平
定
執
破
危
成
納
開
閉
と巡ります。
つまり十二直は、
月の干支を起点として
日の干支に配当される
仕組みなのです。
3 実際の配当の例
例として
寅月を考えてみます。
寅月では、
寅の日が 建 になります。
そこから順番に十二直が配当されます。
| 日の干支 | 十二直 |
|---|---|
| 寅 | 建 |
| 卯 | 除 |
| 辰 | 満 |
| 巳 | 平 |
| 午 | 定 |
| 未 | 執 |
| 申 | 破 |
| 酉 | 危 |
| 戌 | 成 |
| 亥 | 納 |
| 子 | 開 |
| 丑 | 閉 |
そして次の寅の日になると、
再び 建 になります。
つまり十二直は、
十二支の日と完全に対応している
のです。
4 月が変わると起点も変わる
では月が変わるとどうなるでしょうか。
例えば
卯月になります。
すると
卯の日が
建
になります。
配当は次のようになります。
| 日の干支 | 十二直 |
|---|---|
| 卯 | 建 |
| 辰 | 除 |
| 巳 | 満 |
| 午 | 平 |
| 未 | 定 |
| 申 | 執 |
| 酉 | 破 |
| 戌 | 危 |
| 亥 | 成 |
| 子 | 納 |
| 丑 | 開 |
| 寅 | 閉 |
このように、
月建が変わると
十二直の位置もずれていきます。
5 なぜこの仕組みなのか
十二直は単なる日評価ではありません。
そこには
時間の循環思想
があります。
古代中国では、
時間は
- 年
- 月
- 日
がそれぞれ
干支の循環の中に組み込まれていました。
つまり
月(十二支)
と
日(十二支)
の関係によって
時間の状態が変わる
と考えられたのです。
十二直は、
この
月と日の干支関係
を
行動判断に翻訳した仕組み
でした。
6 十二直が暦の「中段」に書かれる理由
伝統的な暦面では、
日付の近くに
十二直が書かれていました。
これは暦の
中段
に位置することが多く、
そのため十二直は
暦の中段
とも呼ばれます。
暦面は大きく
上段
日付・干支
中段
十二直
下段
吉凶日
という構造を持っていました。
つまり十二直は
暦注体系の中心
に置かれていたのです。
7 十二直が示すもの
十二直は、
単なる吉凶ではありません。
それは
月と日の関係によって生まれる
時間の状態
を表しています。
ある日は
始まりの力を持ち、
ある日は
完成の力を持ち、
ある日は
終わりを示す。
このように、
時間を 動きのあるもの として理解する思想が、
十二直の基盤にあります。
まとめ
十二直は、
月建を基準として
日の干支に配当される暦注です。
つまり
月(十二支)
↓
日(十二支)
↓
十二直
という構造になっています。
この仕組みによって、
日々の状態
が決められました。
次章では、
十二直それぞれの意味
建・除・満・平・定…
がどのような行動判断に使われたのかを見ていきます。
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