■ 四離日(しりび)とは
四離日は、立春・立夏・立秋・立冬といった四立(しりつ)に関わる特異な日とされ、季節の切り替わりにおいて「気が離れる(不安定になる)」状態を示す暦上の概念です。
ただし、四離日の具体的な成立条件については、干支によって判定する説や、四立の前後関係で捉える説など複数の解釈が存在しており、統一された定義があるわけではありません。
そのため、四離日は特定の日付として固定的に現れるものではなく、暦書や解釈によって扱いが異なる概念的な暦注といえます。
※「四立以後の寅・巳・申・亥の日を四離日とする」といった説明は一部の解釈に過ぎず、一般的な統一定義ではありません。
■ 四絶日(しぜつにち)とは
四絶日は、春分・夏至・秋分・冬至といった四至(しし)の前日にあたる日で、陰陽の気が切り替わる直前の「気が絶える日」とされます。
| 四至 | 四絶日 |
|---|---|
| 春分 | 前日 |
| 夏至 | 前日 |
| 秋分 | 前日 |
| 冬至 | 前日 |
四絶日は毎年必ず4日発生し、古来より「陰陽の気が途切れる日」として、婚礼・契約・移転など新しい物事の開始には不向きとされてきました。
■ 四離日と四絶日の違い
| 項目 | 四離日 | 四絶日 |
|---|---|---|
| 基準 | 四立(立春・立夏・立秋・立冬) | 四至(春分・夏至・秋分・冬至) |
| 成立条件 | 複数説あり(干支・前後関係など) | 四至の前日 |
| 発生 | 年により変動 | 毎年4日固定 |
| 性質 | 気の不安定・移行 | 気の断絶 |
■ 現代における混同について
現代のインターネット上では、四離日と四絶日の定義が混同されているケースが多く見られます。
- 四離日を四至の前日とする
- 四絶日を四立に関係づける
しかし、古典的な暦書では、四離日と四絶日は明確に異なる概念として扱われており、同一視することは適切ではありません。
■ 本記事の位置づけ
四離日・四絶日は、官暦における体系的な暦注(中段・下段)とは性質が異なるため、本サイトの「選日一覧」には含めていません。
本記事では、これらを季節の境界に関わる特異日として整理し、暦の理解を補うための補助的な情報として位置づけています。
■ まとめ
- 四離日=四立に関わる「気の移行」の日(定義は複数)
- 四絶日=四至の前日(年4日固定)
- 両者は性質が異なり、混同は誤り
- 暦注体系ではなく、季節境界の概念として扱うのが適切

■ 参考文献
本記事は、江戸期の暦書や近代の暦研究書を参考に、四離日・四絶日の概念を整理したものです。
- 『暦便覧』(江戸後期)
- 『暦林問答』(江戸期)
- 内田正男『日本暦日原典』
- 岡田芳朗『暦の百科事典』
- 国立国会図書館デジタルコレクション(古暦書)
※ 四離日については複数の解釈が存在するため、文献により記述が異なる場合があります。