現在のカレンダーや日めくり、手帳などには、
- 一粒万倍日
- 天赦日
- 神吉日
- 大明日
- 母倉日
- 月徳日
など、さまざまな「吉日」が掲載されています。
こうした吉日群は、現在では「選日(せんじつ)」と呼ばれる暦注の一種として広く知られています。
しかし、これらはもともと、現在のような単純な「吉日一覧」として存在していたわけではありません。
本記事では、現代の民間暦に見られる吉日系の選日について、その成立や特徴を整理していきます。
目次
選日とは?
選日とは、日々の吉凶や運気を判断するために用いられてきた暦注の総称です。
古くは、干支・方位・月建・宿など、多くの条件を組み合わせながら吉凶が判断されていました。
官暦(陰陽寮の具注暦)では、非常に複雑な暦体系の中で扱われていたため、一般の人々が簡単に使えるものではありませんでした。
その後、江戸時代から明治期にかけて、民間向けの通俗暦が広がる中で、選日は徐々に整理・簡略化されていきます。
現在の民間暦に見られる吉日群は、その流れの中で広く定着してきたものです。
現代の民間暦に見られる代表的な吉日
現在の民間暦では、次のような吉日系の選日がよく知られています。
一粒万倍日(いちりゅうまんばいにち)
「一粒の籾が万倍にも実る」とされる吉日です。
小さな始まりが大きく育つとされ、
- 開業
- 財布の新調
- 種まき
- 新しい挑戦
などに良い日とされています。
天赦日(てんしゃにち)
「天が万物の罪を赦す日」とされる特別な吉日です。
現在では、
- 開業
- 契約
- 結婚
- 大きな決断
などに良い日として広く知られています。
天赦日は、季節区分と干支条件を組み合わせて決まる独特な選日です。
神吉日(かみよしにち)
神事に良いとされる吉日です。
- 神社参拝
- 祈願
- 祭事
などと結びつけて扱われることがあります。
現在の民間暦では、他の吉日と重ねて掲載されることも多い選日です。
大明日(だいみょうにち)
「天地が明るく照らされる日」とされる吉日です。
比較的広い用途に吉とされ、
- 旅行
- 移転
- 造作
- 慶事
などに向く日として扱われています。
母倉日(ぼそうにち)
万事を育て助ける日とされる吉日です。
特に、
- 婚礼
- 引越し
- 慶事
などに良い日とされることがあります。
月徳日(げっとくにち)
「徳を得る日」とされる吉日です。
- 修理
- 和解
- 相談ごと
などに向くとされ、比較的柔らかな吉日として扱われています。
吉日系の選日はどのように成立したのか
現在の民間暦に見られる吉日群は、もともとの官暦にあった吉祥語や選日法を背景にしています。
しかし、官暦では、
- 干支
- 方位
- 月建
- 宿
- 節月
など、多くの条件を重ねて吉凶が判断されていました。
そのため、現在のような単純な「吉日一覧」とはかなり異なる体系でした。
近代以降、民間暦の編集文化が続く中で、これらの吉日群は、干支や節月による比較的わかりやすい配当法として整理され、現代のカレンダーや日めくりにも広く掲載されるようになっていきました。
現代の民間暦としての吉日文化
現在の吉日系選日は、絶対的な吉凶を示すものというより、日本の民間暦文化として受け継がれてきた側面が強いものです。
地域や時代によって考え方にも違いがあり、すべてが統一された体系というわけではありません。
また、官暦時代の本来の判定法や成立過程については、現在でも不明な部分が少なくありません。
そのため、現代の民間暦に掲載される吉日群は、「現在まで伝わる暦文化の一端」として理解するのが自然でしょう。
まとめ
現代の民間暦では、一粒万倍日・天赦日・神吉日・大明日など、多くの吉日系選日が使われています。
これらは、もともとの官暦にあった吉祥語や選日法を背景にしながら、時代の中で整理・簡略化され、現在の民間暦文化として広く受け継がれてきたものです。
現在の吉日群は、単なる「運気の良い日」というだけではなく、日本人の暮らしの中に残る暦文化の一つといえるでしょう。
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