庚申(かのえ・さる)は、六十干支(ろくじっかんし)の57番目にあたる干支です。
十干の「庚(かのえ)」と、十二支の「申(さる)」を組み合わせたもので、硬質な金(庚)と俊敏な知性(申)が重なる、緊張感と変化を内包する干支として理解されてきました。
干支というと十二支だけが語られがちですが、本来の暦単位は十干十二支(じっかんじゅうにし)です。
その完成形が60通りで一巡する六十干支であり、庚申はその57番目に位置します。
本記事では、庚申を「仕組み・意味・象徴」の三つの視点から整理し、基礎理解を提示します。
目次
庚申の読み方
庚申は「かのえ・さる」と読みます。
- 庚(かのえ)=十干の7番目
- 申(さる)=十二支の9番目
庚は五行で「金」に属し、刃物や金属のような硬さ・鋭さ・決断を象徴します。
申は猿に象徴され、機敏さ・知恵・変化・交渉を意味します。
「鋭い金が、軽やかな知性と結びつく」──これが庚申の核心です。
庚(かのえ)の意味|鍛えられた金
庚は十干の後半に入り、次の性格をもつと解釈されてきました。
- 剛性:曲がらず切れ味が鋭い
- 決断:迷いを断ち切る力
- 改革:古い殻を破る衝動
庚は「生み出す金」よりも鍛え直す金のイメージです。
庚申では、この硬質な力が社会や組織の緊張を高めやすい傾向をもたらします。
申(さる)の意味|動く知性
十二支の申は、次の意味を帯びてきました。
- 俊敏:状況を素早く読む
- 交渉:関係を組み替える力
- 変化:固定を嫌い動く
申は停滞を好まず、場面転換を起こす触媒のように働きます。
庚申の特徴|緊張が変化を生む年の型
庚と申が重なる庚申は、次の性質を帯びやすいと読み解かれてきました。
- 表面の緊張が高まる
- 水面下で制度や関係が組み替わる
- 対立が変革の契機になる
「対立が破壊ではなく再編を生む年」
そのため庚申は、しばしば“きしみ”を伴う転換期として語られます。
急激な崩壊というより、摩擦を通じた刷新の色合いが濃い干支です。
庚申はなぜ「緊張と刷新」に結びつくのか
- 庚=切る力
古い慣行を断つ象徴。 - 申=動かす知性
関係を組み替える触媒。
この二つが重なるため、庚申は自然に
「摩擦を経て新秩序へ移る年」
として理解されやすくなりました。
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まとめ|庚申は“緊張が刷新を生む型”
庚申(かのえ・さる)は、
硬質な金(庚)が俊敏な知性(申)と出会い、摩擦を通じて秩序を組み替える干支です。
混乱ではなく、きしみを伴う再編として読むと、その本質がよく見えてきます。
庚申を入口に、六十干支を「年の名札」ではなく、歴史を読むための暦の知恵として読み解いていきましょう。
